『現場の実態もアピールしたい』

 

 昨年2月に東京都の若手介護職員にスポットをあてた『東京ケアリーダーズ』特集をはじめ、福祉・介護に関する広告特集が、6回にわたり東京新聞に掲載された。実際に現場で働く人たちにスポットを当て、仕事内容や、やりがいを紹介し、福祉・介護職を啓発する特集や、分かり難い施設の違いや法令に関する情報を分かりやすくまとめた特集など、様々な切り口で展開してきた。読者にとっては切実な問題として、反響も大きかったようだ。なぜこのタイミングで、このような広報展開を実施したのか、東京都高齢者福祉施設協議会常任委員の水野敬生情報・広報室長に話をうかがった。

◎聞き手/内田清志(中日新聞東京本社広告局広告三部長)

 

 

社会福祉法人 東京都社会福祉協議会
東京都高齢者福祉施設協議会 常任委員
情報・広報室 室長

 

水野 敬生

 

Takao Mizuno みずのたかお
1984年駒澤大学文学部社会学科社会福祉コース卒業。都内の社会福祉法人での介護職員、生活相談員、介護支援専門員、施設長を経て、2014年より社会福祉法人一誠会・偕楽園ホーム施設長。2015年より同法人常務理事。東京都高齢者福祉施設協議会では2007年より専門委員会委員長、副部会長などを経て、2016年より現職。

 

 
 
 

理解促進に一役

── 掲載後の協議会内外での反響はいかがでしたでしょうか?

水野 社会福祉法の改正に伴い、社会福祉法人の地域貢献が義務付けられました。従来から、多くの施設で取り組んできましたが、それを地域にむけて伝えて来なったことは我々の業界として反省があります。
 『アクティブ福祉グランドデザイン』を策定の際、三菱総合研究所に依頼して都民1,800人を対象とした調査では、社会福祉法人は聞いたことはあるが何をしているかわからない、という方が非常に多かったです。「つながれ ひろがれ ちいきの輪 in TOKYO」は、地域で暮らす方々の役に立ちたい、社会福祉法人をもっと知っていただきたいという思いから、一昨年よりスタート。イベントや交流会の開催情報など、地域に寄り添うキャンペーンを軸に、我々の活動を紹介する一連のシリーズ特集を展開しました。
 掲載後、数十件という単位で東京都社会福祉協議会に連絡があり、自分たちの地域でもこういった事業をやっていないか、また施設はないのか、などのお問合せを頂いたようです。
 協会の広報だけでは、なかなか伝わらないというジレンマがあり、理解促進に一定の効果があったと思います。

── 今年平成30年には、医療・介護報酬のダブル改訂を控えており、今後も大きな変化が予想されます。また、さらに高齢化が進展し、超高齢社会を迎えるにあたり、業界の課題と今後の取り組みについてお聞かせください。

水野 この業界の人でも制度の詳細が分からなくなるほど、複雑になって来ています。特別養護老人ホームだけでなく、デイサービスもあれば地域包括もあるなど、違いをきちんと分かりやすく発信していかなければなりません。
 しかし、人材確保がとかく一番大きな課題です。特に東京では厳しい状況が続いています。求人倍率を見ても、東京は断トツに高い。新しく施設を建てようにも、利用者はいるかも知れませんが、職員がいないので開設できない。将来的に、日本人だけでは立ち行かなくなってくるのは、火を見るよりも明らかです。外国人技能実習生制度がはじまっていますが、どこまで浸透するかは不透明。高齢者や障がい者の雇用などを含めて、人材の多様化が急務です。

── 社会福祉法人としての取り組みや内情を、外部へ発信する必要性もあるかと思います。今後の広報活動の展望や目標を教えてください。

水野 社会福祉法人は、本来国が本来行うべきことを、代行して行っています。公の代行たる公。ですから、社会福祉法人が内部留保や現金を持っていると、けしからん、というお叱りを受け、悪者にされます。たとえば、昔は建物を建てると4分の3が補助金で出ましたが、今では10分の1しか補助されず、あとは利用者から集めなさいという仕組みに変わっています。内部留保がなければ、建て替えすらままなりません。しかし、一般の方は、内部留保を切り崩せば社会保障費が抑えられるのでは、という誤った認識を持っています。
 社会福祉法人に対する偏見や誤解に対して、我々の仕事をきちんとPRして、理解してもらう必要があります。そのために私たちも一昨年から情報・広報室を設立し、私が室長に任命されました。その役割や責任は非常に重たいと感じています。

 
 

尊厳のある高貴な仕事

 

── 今後、高齢化は一層深刻化します。先ほどもありましたように、人手不足の解消に向けての取り組みについてお聞かせください。

水野 夢があって、楽しい輝く仕事だということばかり言っていられません。本当に大変なんです、現場は。大変さを乗り越えたところにいいことがある。それはこの業界に限ったことではありませんが、困難を乗り越えてプロジェクトを成功させれば、大きな感動があります。
 過去に、介護職は安月給で、車も買えず、結婚もままならない、などの行き過ぎた報道が横行し、介護職に対するイメージは大きく毀損しました。また何か事件・事故があると、無許可・無届けのところも“老人ホーム”と一括りにされます。伝えるのであれば、正確に報道してほしいです。
 今年9月に新しい施設をオープンするにあたり、人を募集していますが、初任給は学歴に応じて他の業界とそん色ありませんし、また夜勤手当や資格手当などもあるため、世間が目くじら立てて、低い、低いと言われる水準ではありません。
 イメージダウンを払しょくすることは並大抵ではありませんが、本当に人の最期にかかわる仕事で、尊厳があり、高貴な仕事です。働き甲斐があり、人間を成長させてくれる仕事でもあります。そういうところをきちんとPRしていく必要があります。

── 我々も、細心の注意を払いながら、紙面作りに励みたいと思います。最後に何かありましたらお聞かせください。

水野 『アクティブ福祉グランドデザイン』(最期のときまで安心して暮らせる東京をめざして)をぜひ一度読んでほしいです。大都市東京の現状、とりわけ福祉サービスの実情や課題が分かるようになっています。

── 本日は有難うございました。

 

シリーズ特集


 ・2/24 東京ケアリーダーズ編
 ・5/15 特別養護老人ホーム編
 ・7/15 養護老人ホーム編
 ・9/4   つながれ ひろがれ ちいきの輪編
 ・11/11 デイサービス編
 ・1 /20  軽費老人ホーム編

 

東京新聞2017年2月24日付朝刊 
 
東京新聞2017年5月15日付朝刊 
 
東京新聞2017年7月15日付朝刊 
 
東京新聞2017年9月4日付朝刊 
 
東京新聞2017年11月11日付朝刊 
 
東京新聞2018年1月20日付朝刊 

 

 
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