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【東京エンタメ堂書店】

読者お薦め 映画の原作(下) 「深さ」何度も味わう

 寒さが厳しくなってきましたね。時にはあったかい部屋で映画のDVDや本を楽しみませんか。本日は先週に続き、読者お薦めの映画原作本を紹介します。 (岩岡千景)

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 まずは<1>宮崎駿(はやお)著『風の谷のナウシカ』(徳間書店、全七巻セット三〇七三円)です。埼玉県川越市の関口享子さん(56)から「原作の方がすごい。よくいわれていることですが。何度も読み直したのですが、最後の所はどう理解したらいいのか自分の中で結論が出ていません。簡単に分かったつもりになれないものに触れさせてもらえます」とメールが届きました。

 この物語の舞台は、産業文明が「火の七日間」戦争で崩壊してから千年後の地球。有毒ガスを発する「腐海」の森が広がり人間の生存が脅かされる中、巨大生物王蟲(オーム)たちと心通わせ生きる少女ナウシカの姿が描かれます。

 宮崎駿さんは、原作漫画を一九八二年から十二年かけて執筆。八四年公開の映画は第二巻までの話です。原作はその後も戦闘と破壊を繰り返す人間の愚かさをさんざん描いて圧巻の結末を迎え、壮大な神話のよう。傷ついても心の美しさを失わないナウシカの言葉も心に響きます。「わたし生きるの好きよ」「光も空も人も蟲(むし)もわたし大好きだもの!!」「こんなに世界は美しいのに」「こんなに世界は輝いているのに…」

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 また、同じく川越市の吉田きよみさん(60)は、高校演劇部をめぐる青春小説で昨年、映画になった<2>平田オリザ著『幕が上がる』(講談社文庫、七四五円)を薦めます。「幕を上げるまでの少女たちのひたむきさが胸を打ちます。あんな気持ちをいつのまにか忘れていた自分に腹が立つし情けないけれど、今からでも遅くないから物事にきちんと向き合おうと思わせてくれた珠玉の作品です」

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 埼玉県加須市の波多睦美さん(53)からは、林業の世界に飛び込んだ若者が主人公の<3>三浦しをん著『神去(かむさり)なあなあ日常』(徳間文庫、六六九円)が挙がりました。「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常」の題で二〇一四年に映画化された作品。「お仕事エンタメ小説でありながら、山の神様の荘厳さ、山々の厳しさに心が洗われます」

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 「時代もの」では、三谷幸喜さんが原作小説を書き一三年公開の映画で監督もした<4>『清須会議』(幻冬舎文庫、六一七円)を、千葉県習志野市の今泉利江子さんが「映画でも本でも、それぞれの登場人物の個性が際立っていて面白い! 歴史上の人物が身近に感じられた」とお薦め。

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 千葉県柏市の十代学生さんからは、日航機墜落事故を題材にした<5>横山秀夫著『クライマーズ・ハイ』(文春文庫、七七八円)が寄せられました。「飛行機事故取材の背景でマスコミに従事する者の葛藤と真実を伝えるという使命感に魅せられました。横山作品は、今年公開の映画『64(ロクヨン)』も楽しませてもらいました」

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 川崎市宮前区の林民彦さん(60)も、<6>『64(ロクヨン)』(文春文庫、(上)(下)とも六九一円)を挙げます。「小説は三回読み尽くし、映画は前・後編二回ずつ見ました」。昭和六十四年に起きた誘拐殺人事件をめぐる警察小説で、映画主演は佐藤浩市さん。はがきに「横山&佐藤で、また他の映画も見たいなあ〜!」とも書き添えられていました。

 

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