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【東京エンタメ堂書店】

かわいい!!パンダ本 謎めく生態 アレから芳香 中国・四川の「パンダ人」とは

 その姿を見ただけで、「かわいい〜!」という大声を、半ば反射的にあげてしまう自分が恥ずかしい。でも、やっぱりかわいい(小声で言います)。上野動物園で誕生した子パンダが大人気ですが、大型連休ともなれば、行列しても見られるかどうか。そんなあなたに、パンダの魅力を味わい尽くす本をご紹介します。 (出田阿生)

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高氏貴博さん撮影(『読むパンダ』から)

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 まずイチオシの一冊は、その名もずばり『読むパンダ』(白水社、一五一二円)。日本初のパンダ・エッセー集だ。パンダを偏愛する各界の著名人の随筆と、パンダに関する知識や歴代飼育員が語るエピソードが楽しめる。

 冒頭の文章は『蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)』など中国の歴史小説シリーズを手掛ける作家の浅田次郎さん。中国での取材旅行を重ねるうちにパンダが見たくてたまらなくなり、仕事にかこつけて北京動物園へ。そこで目撃して、驚愕(きょうがく)したあるものとは−。

 日本初のパンダ、ランランとカンカンが来たのは一九七二年。女優の黒柳徹子さんと元上野動物園飼育課長の中川志郎さん(故人)による当時の対談も再録。中川さんが到着した檻(おり)を開けた瞬間、独特の甘酸っぱい香りがしたという。糞(ふん)は芳香がする。それについての研究者の分析もある。

提供・アドベンチャーワールド

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 本家本元、中国パンダ保護研究センターの、四川大地震を記録したページは手に汗握る。センター員は自分たちを誇りを持って「パンダ人」と呼ぶ。震災時、力を合わせ生後八カ月の赤ちゃんパンダ十四頭を抱きかかえて救出したという。

 「パンダ人」をもっと詳しく知りたい人は、同センターと日本パンダ保護協会編の『パンダ育児日記』(二見書房、一五一二円)をどうぞ。赤ちゃんパンダの群れる写真が満載で、とろける。

 子ども時代からのパンダ好きが高じて、ついに仕事にしてしまった人も。上野動物園の若き現役飼育員、阿部展子さんの『パンダ飼育係』(角川書店、一二九六円)は、中国に留学して学び、飼育員になった日々をつづる。

提供・アドベンチャーワールド

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 一般人も負けていない。ブログ「毎日パンダ」に上野動物園のパンダ写真をアップし続けているのは高氏貴博さん。二〇一一年、仕事の合間になんとなく入った上野動物園で、突然パンダに目覚めた。以来、開園日は毎日通い詰め、撮影枚数は百万枚以上。よりすぐりの作品は『毎日パンダ』(平凡社、一一八八円)、『おつかれっ!毎日パンダ 上野で働くパンダズの全記録』(飛鳥新社、一一三二円)の写真集二冊でぜひ。

 飼育と野生を合わせてもパンダは世界で二千頭足らず(二〇一二年調査)。謎めいた生態のみならず、ここまで人を魅了するのも謎。みなさんもその不思議にひたってみてください。

 

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