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【書く人】

全てを認め、愛になる 『そのままのキミがすき』『あなたなんてだいきらい』絵本作家・きむらゆういちさん(68)

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 「ごあいさつあそび」など赤ちゃん向けのシリーズや「あらしのよるに」などの作品で知られるきむらゆういちさんが、大人向けの絵本を作った。女性へのメッセージを込めた『そのままのキミがすき』と、女性から男性に贈る『あなたなんてだいきらい』の二冊。高橋和枝さんのほんわかしたイラストとともに、優しく語りかけてくる。

 『そのままの−』に登場するのは、スカートをはいたネコさん。「たとえば キミが…」という言葉で始まり「寝起きの グシャグシャな頭でも…」と、キミの「短所」が次々に挙げられる。

 「人にいえないクセや/隠している過去が あっても」「世界中が キミをブスと呼んでも…」と、ちょっとびっくりするようなせりふも。「欠点というか過去…それまでのいろんなことも含めて認める。その過去があるから今がある。過去が相手を作っているわけで、過去を否定したら今の彼女は存在してないわけですから」

 最後に描かれるのはキミを丸ごと肯定する言葉。そして、二人一緒にいてほっとする場面だ。「二人の関係が『恋』だと緊張感があるけど、『愛』になると、ほっとする。女性は化粧をする。自分をよく見せようとするけれど、素顔で付き合える状態…そのままの自分でいないと、『恋』から『愛』に変わっていかないんじゃないかと」

 ある時、女性編集者から「『そのままでいい』って言われるのが一番うれしい」という話を聞いてイマジネーションがわき、家に帰って三十分ほどで描き上げた。一緒に出そうと思い立った『あなたなんて−』の方は、完成までに半年以上がかかったという。

 こちらには、パートナーから「だいきらい」と言われてしまうクマさんが登場する。「気になる存在で、自分は好きだけど相手が同じぐらい自分を好きかどうかわからないときに『大嫌い』になるんじゃないかな。『もっと私に関心を持って』という気持ちも『大嫌い』になる。愛情の一番下は『興味がない』。それから『好き』『大好き』で、『大嫌い』は最上級かも」

 ピンクと緑を基調にした装丁のきれいなかわいい本。「絵本は味わうもの。自分の好きなコーヒーに出会ったら何回も飲むように、何回も読んで味わって」

 あすなろ書房・各九一八円。  (岩岡千景)

 

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