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【千葉】

<ひとキラリ>果肉まで赤く甘い「真紅の美鈴」開発 大網白里の成川さん

自身が開発に携わった2種類のイチゴを交配して「真紅の美鈴」を作った成川昇さん=大網白里市で

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 独特の濃い紅色と甘みが特徴のイチゴ「真紅(しんく)の美鈴」。元県農林総合研究センター職員で育種家の成川昇さん(75)=大網白里市大網=が定年退職後に8年かけて開発し、2015年に登録された新品種だ。大半が直売所かイチゴ狩りでしか手に入らないため希少価値が高く、全国の農家から問い合わせが相次いでいる。(黒籔香織)

 成川さんは、一九六七年から二〇〇一年まで、県農業試験場(現県農林総合研究センター)でイチゴやキャベツの品種改良に取り組んだ。退職後は、大網白里市に千四百平方メートルの畑を借りて、イチゴを栽培している。

 「地域の風土に合った品種を作ろう」。成川さんは〇三年に新品種の開発を始めた。試験場時代、成川さんが開発に携わった品種「麗紅(れいこう)」と「ふさの香(か)」を交配して一一年に完成。一一年十月に国に品種登録を申請し、一五年二月に登録された。

 麗紅は大きさや生産性は優れていたものの、やや酸味が強く、ふさの香は味はおいしいが果皮が薄くて傷つきやすかった。交配してそれぞれの長所を引き出すことができたのが、真紅の美鈴だった。

 専門機関で調べたところ、真紅の美鈴は、数値が高いほど甘みを感じて濃厚な味となる糖酸比が「とちおとめ」の一・三倍だった。「くろいちご」と呼ばれるほど濃紅な果皮は、色素成分「アントシアニン」が多いためとされる。

 成川さんは開発当初、濃い色のイチゴが売れるか不安だった。農家から「こんな真っ黒なイチゴは売れない」と笑われたこともあった。だが、試食したお客さんの「おいしい」との声で、「黒いイチゴは売れないという常識を変えてもいいのでは」と思えるようになったという。

 栽培農家数は開発当初の九軒から現在は三十軒と三倍に増えた。県内をはじめ、埼玉や茨城、愛知県の農家が栽培している。

 成川さんは「自分が携わった品種を交配した新品種を受け入れてもらえてラッキーだった。想像以上の反応がうれしい」と笑顔を浮かべる。

 一箱二十九個入りで税込み千八百円。配送用は一箱十五個入りで税込み千八百円(送料別)。五月ごろまで生産。価格は時期により変動する。成川さん=電080(1093)0145。

 

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