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【千葉】

<ひとキラリ>自分のルーツ守りたい 栄町で芸術活動・シムラユウスケさん

作品にサインするシムラユウスケさん=栄町のJR安食駅で

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 東日本大震災をきっかけに、東京から栄町や成田市に活動拠点を移したアーティストのシムラユウスケさん(35)は、アートを通じ、出身地の栄町の活性化に取り組んでいる。「アーティストとしての自分のルーツを守りたい」。郷土への強い思いが、シムラさんを動かしている。 (渡辺陽太郎)

 栄町立酒直小(二〇一五年末、安食(あじき)台小と統合し閉校)、栄東中(同年末閉校)を卒業。「自分の名前で仕事がしたい」とアーティストを志した。二十代前半から東京や米ニューヨーク、欧州などで作品を発表。ドローイングや、作品と作品を見る側との相互作用に力点を置くインタラクティブアートを手がけ、国内を代表する若手アーティストの一人として知られる。

 二〇一一年の東日本大震災で、栄町北部の利根川の堤防が崩れた姿に衝撃を受けた。その後、百三十九年の歴史を誇った母校・酒直小の閉校も知った。

 酒直小の校訓は、すべてのものには夢があるという意味の「夢の木」。シムラさん自身もこの校訓に影響を受けたといい、酒直小最後の一年間、仲間のアーティストを招き、児童と校内で作品をつくる「記憶美術館」に取り組んだ。その後も、子どもたちと、町の古墳群をモチーフにした作品づくりを手がけるなど、精力的に活動を続ける。

 先月十九日には、JR成田線の安食駅(栄町)のエレベーターを、町の児童・生徒が描いた夢の絵などでラッピング。無機質な印象を与えがちなエレベーターを芸術作品に変身させた。

 成田空港周辺の駅では唯一の「アートエレベーター」。外壁には、龍の手や足なども描いた。自身が犠牲となることと引き換えに、干ばつに苦しむ地域を救った龍が、身を刻まれ天から落ちてきた場所が栄町だとされる、地元の伝承にちなんだという。

 シムラさんには、芸術活動が活発になれば、子どもたちは町で表現活動ができ、近隣の若者が集まるようになるとの期待がある。「栄からアーティストや有名なバンドが生まれたらうれしい。子どもたちに刺激を与え続けたい」

 

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