東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

成田で光る 描いた夢 自閉症の画家 都内の久保さん個展

自身の作品の前に立つ久保貴寛さん=成田市で

写真

 自閉症で知的障害がある画家、久保貴寛さん(46)=東京都豊島区巣鴨=の個展が、成田市東町の成田ユニバーサル美術館で開かれている。専門学校などで絵を学び、鮮やかな色づかいの作品は企業のカレンダーや雑誌の表紙にも使われた。久保さんは「夢に向かって描き続けたい」と語る。 (神谷円香)

 二歳ごろから柔らかいタッチの絵を描くようになった久保さんは、高校卒業後、保育の専門学校・日本児童教育専門学校(東京都新宿区)で絵本づくりを学んだ。一九九二年からは、障害者のための文化事業を行う公益財団法人「日本チャリティ協会」(同区)が開く絵の教室に月二回、通う。メルヘンチックな風景画が得意で、「明るい配色や立体感を大切にしている」と言う。遠近法も使いこなす。

 何百枚と描きためた絵を自宅に保管。個展は二回目で、海外の旅行先の風景画など、えりすぐりの三十七点を展示している。

 これまで現代童画展や国民文化祭で入選を重ね、障害者の絵を企業に紹介する「アートビリティ」という活動を通し、作品は企業のカレンダーや通販雑誌の表紙に採用された。

 アートビリティは、「障害のある人にも絵で仕事を」と社会福祉法人東京コロニー(東京都中野区)が八六年に始め、現在約二百人、約五千点の登録作品がある。

 商品にできるデザインかどうかが登録基準で、広告業界に詳しいグラフィックデザイナーらによる審査会の通過率は10〜20%と厳しい。絵が採用されると契約額の60%が本人に入る。

 久保さんの作品はこれまで三十三点が登録され、二〇〇二年には「独自の路線を歩み、コンセプトが明確」な作家に与えられる「アートビリティ大賞・日立キャピタル特別賞」を受けた。事務局の中島倫子さん(55)は「登録作品は個性もさまざま。今は、障害の有無にかかわらず良い物は良いと言えるようになっている。障害者のアートを気兼ねなく楽しむ土壌がもっと育てばいい」と、個性が光る作家の活躍を期待する。個展は五月十四日までで、入場料五百円。月、火曜休館。問い合わせは同美術館=電0476(85)6655=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報



ピックアップ
Recommended by