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【千葉】

「千葉時代」の期待高まる 国際学会に「チバニアン」認定申請 

茨城大などの研究チームが国際学会に申請した市原市田淵の地層=同市で(5月23日撮影)

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 地球の歴史に「千葉」の名が刻まれるかもしれない−。茨城大や国立極地研究所などの研究チームは七日、市原市田淵の地層を、約七十七万〜十二万六千年前の地質年代を代表する地層と認定するよう国際学会に申請した。認められれば、その時代がラテン語で「千葉の時代」を意味する「チバニアン」と名付けられる。市原市は、国の天然記念物の指定を目指しており、命名に向けて期待が高まっている。(黒籔香織、中山岳)

 研究チームによると、市原市の地層は「千葉セクション」と呼ばれ、養老川沿いの崖に露出している。七十七万年前に地球の磁場(地磁気)のN極とS極が逆転した証拠が残っているという。

 市原市田淵地区の町会長、武内博文さん(61)は「地元の地層に由来する千葉の名が歴史に残れば、地域の活性化につながる」と期待を寄せる。

 地層は、地区の集会所の田淵会館から約四百メートルほどの場所にある。国際学会への申請準備が話題になった昨年ごろから注目度が上がり、県内外から見学に訪れる人が増えた。

 武内さんによると、地層を見るには、田淵会館の脇の道を歩くか、近くの別のあぜ道を歩く二つのルートがある。あぜ道は雑草が茂って荒れており、地元住民の有志が先月下旬、草刈りをした。周辺に公衆トイレもないため、武内さんは「今後は行政と相談しながら、見学しやすい環境を整備できれば」と話す。

 市原市は、田淵地区の地層を中心とする周辺の養老川支流や滝など約二万平方メートルについて、国の天然記念物の指定を目指し、七月末までに文化庁に申請する予定。地層一帯は複数の地権者の私有地だが、天然記念物に指定されれば、文化財保護法に基づき、市が保全に関わることができる。市は見学のための周辺の整備も進める考えだ。

 市原市の小出譲治市長は七日、「たいへん誇らしく、喜ばしい。世界的にも貴重なこの地層を保存・活用していくため、地域の方々と協力しながら、地域の財産として活(い)かしていきたい」とのコメントを出した。

◆「ベスト尽くした」と手応え 研究チームの茨城大・岡田教授ら

 東京・霞が関の文部科学省記者クラブで開かれた七日の記者会見には、研究チームの代表で茨城大理学部の岡田誠教授ら四人が出席した。岡田教授らは「ベストを尽くした」などと手応えを語った。

 この地層を国際学会に申請する運動は二十年に及ぶといい、岡田教授は「われわれが担っているのは最後の所。先人たちの思いを引き継ぎ、全力を尽くしてきた」と述べた。

 今後の審査ではイタリアの二カ所の地層がライバルとなる。岡田教授は、認定の可能性に関しては「全く予測ができない。五分五分ですね」と話した。

 申請書の執筆を中心で担った国立極地研究所の菅沼悠介准教授は「日本の名前が地球の時代の一つに刻まれることは研究面でも教育面でも大きい。うまくいくことを祈りたい」と語った。

 

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