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【千葉】

認知症予防に期待の「ロスマリン酸」 千葉大研究グループがシソで増量に成功

ロスマリン酸を増やすシソの栽培方法を見つけ、人工光で野菜を育てている植物工場内にたたずむ加川夏子さん(左)と魯娜さん=千葉大環境健康フィールド科学センターで

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 抗アレルギー作用があるとされ、認知症予防の効果も期待される有用成分「ロスマリン酸」の含有量をシソで増やすことに、千葉大の環境健康フィールド科学センター(柏市)を拠点とする共同研究グループが成功した。これらの研究成果を、高品質な機能性ハーブや薬用植物の生産に役立てていきたいという。 (堀場達)

 研究はセンターの植物工場で、講師の加川夏子さん(39)と、中国出身の特任助教・魯娜(るな)さん(32)が中心になって進めた。シソを蛍光灯で培養液栽培する際、光の強さと、培養液の濃淡をそれぞれ三段階ずつ変えた。異なる光度と濃度を組み合わせ、計九種類の生育条件によって、ロスマリン酸の量がどう違ってくるかを比較した。

 身近な食材の青ジソと、医療に使われる薬用の赤ジソを栽培したが、いずれのシソも蛍光灯の光が強く、培養液の濃度が低いほど、ロスマリン酸の含有量が多くなる傾向が確認できた。最少と最多の含有量を比較すると、青ジソで約四倍、赤ジソで約二倍の開きがあった。

 ロスマリン酸はポリフェノールの一種で、花粉症などのアレルギー反応を抑えるといわれるほか、アルツハイマー病の発症を防ぐ可能性が指摘され、生薬の素材などとしても有望視されているという。

 植物の成分は、栽培された場所や収穫の時期によって含有量が異なってくる。しかし、天候に左右されず、生育環境を自動制御する植物工場の活用によって、加川さんは「シソのロスマリン酸を意図的に増産することができた」と話す。

 天然由来の植物成分は、食品、医薬品、化粧品をはじめ、幅広い分野で需要が高く、加川さんは今回の研究を、ほかの植物でも応用していきたいとしている。研究成果はスイスの科学雑誌に五月に発表された。

 

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