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【千葉】

鳥獣被害に新兵器 水田にオオカミ型ロボット

水田近くで実証実験が進められている「スーパーモンスターウルフ」=木更津市矢那で

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 動物が近づくと目に仕込まれた発光ダイオード(LED)が赤く光り、オオカミの鳴き声を出して威嚇する−。JA木更津市は、イノシシなどから農作物を守ろうと、オオカミ型のロボット「スーパーモンスターウルフ」を市内の水田に設置し、実証実験を続けている。今後はクリ林やイモ畑にも設置して十月末まで実験を続け、効果が確認できれば、本格的に導入する方針だ。(山口登史)

 全長六十五センチ、高さ五十センチで、ほぼオオカミの成獣の大きさ。二十メートル四方に反応する赤外線センサーで動物を感知すると、目が赤く光り、オオカミの遠ぼえやイヌの鳴き声、猟銃の発砲音などの四十八種類の威嚇音が鳴り、動物を威嚇する仕組み。

 このロボットは北海道の企業がクマやエゾシカ対策として開発し、JA木更津市が無償で借りた。七月十一日に市内の水田に設置して以降、有害鳥獣が現れた形跡はほぼないという。インターネットの動画サイトで紹介され、全国から問い合わせが相次いでいる。

 JA木更津市の梅澤千禾夫(ちかお)組合長(75)は「想像以上に結果が出ている。わなや電気柵など、あらゆる手段を駆使して少しでも農作物の被害を食い止めていきたい」と力を込めた。

 県によると、イノシシなどによる県内の農作物の被害額は二〇一二年度は三億八千六百五十一万円だったが、一六年度は四億六千五百三十九万円に増加、うちイノシシによる被害がほぼ半数を占める。木更津市内のイノシシによる農作物被害額は千三百万円余(一六年度)で、一二年度(約百五十万円)に比べて大幅に増えた。

 ロボットの実証実験が続けられている水田を所有する木更津市の農家、竹内和雄さん(70)は「設置以降、被害は少なくなったが、イノシシの個体数が減ったわけではない。根本的な対策となると、イノシシの数を減らすしかない」と指摘する。

 県内の各自治体は、地元の猟友会などに委託して有害鳥獣の捕獲を進めているが、県内の猟友会員数は高齢化などの影響で減少している。木更津猟友会の会員は一九八〇年代には三百人ほどいたが、現在は約七十人と激減。木更津猟友会の小林光雄会長(71)は「高齢化で最近は猟に出る会員も少なくなっている」と話している。

 

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