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【千葉】

コチョウラン栽培で障害者の自立後押し NPO法人が富津で新事業

コチョウラン栽培を通じた障害者支援への協力を呼び掛ける那部智史さん=富津市で

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 贈答用のコチョウランを栽培してもらい、知的障害者の自立を後押ししようと、いすみ市のNPO法人が、栽培用の温室「オーキッドガーデン」を富津市西大和田に開設した。苗のオーナーを募って資金を出してもらい、知的障害者が温室で育てたコチョウランを販売。収益を知的障害者の賃金に充てる。月額賃金を10万円にするのが目標という。 (山口登史)

 運営するのはNPO法人「アロンアロン」。理事長で不動産賃貸業の那部(なべ)智史さん(48)は、重度の知的障害がある長男(21)と妻と三人でいすみ市で暮らす。

 厚生労働省によると、作業所などで働く障害者たちの月額賃金は平均で約一万五千円(二〇一五年度)。賃金の安さは、社会的な自立を望む障害者やその家族にとって、高い壁となっている。

 那部さんは「コチョウランを障害者の所得向上に役立てられないか」と考え、一三年にアロンアロンを設立。生花販売会社「アートグリーン」(本社・東京都港区)と共同で、軽度知的障害者へのコチョウランの栽培指導や販売に全国で取り組んできた。

 同法人によると、コチョウランの苗のオーナーを募って出資してもらい、栽培資金とする。出資は五本分(五千円)から受け付け、十本(一万円)以上を出資したオーナーには、一割が誕生日などの記念日に届く。残り九割は、この事業で提携する企業に販売し、その収益を障害者に支払う。

 オーナーの募集は既にインターネットで始めており、十三日現在、百六十一人から二百九十万五千円が集まった。温室で働く知的障害者は二十人の予定で十一月から公募する。

 温室は広さ六百九十三平方メートル。空調や光の調節機能などを備え、最大で約二万本を栽培できる。コチョウランの栽培経験のあるスタッフらが知的障害者に育て方を教える。隣接する事務所を含めた総工費は約六千万円で、うち三千八百万円は日本財団が支援した。

 十二日に温室のお披露目会があり、地元住民ら約百五十人が参加した。那部さんは「苗が障害者の手で育てられ、大切な人に届けられる。残りは企業に販売されて働く障害者の収入になり生活を支える。このストーリーに共感してもらえる人を増やしていきたい」と呼び掛けた。

 問い合わせは、アロンアロンの那部さん=電0470(62)6215=へ。

 

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