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【千葉】

<ひとキラリ>「あびこ植物図鑑」市広報に連載30年 元教諭・佐久間俊行さん

あびこ植物図鑑を30年にわたって連載し、感謝状を贈られた佐久間俊行さん=我孫子市役所で

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 我孫子市内の草花を紹介する市広報紙の名物コラム「あびこ植物図鑑」が、今年の六月十六日号で、三十年間に及ぶ連載を終えた。執筆を担当していたのは、市内在住で元中学校教諭の佐久間俊行さん(83)。計三百五十八回にわたり、三百四十七種類の植物を取り上げた。

 図鑑は、一九八七年四月十六日号から始まった。初回は春を告げる花「こぶし」。当時、松戸市内の小学校校長を務めていた佐久間さんは「市の職員から依頼された。間違えたら迷惑を掛けるので最初はいやだったけど、やってみたら楽しくてのめりこんだ」と振り返る。

 楽しかったのは「知らないことだらけなので、いろいろ調べた。分からなかったことを解き明かせた」からだ。千葉大学の教育学部で植物学を修め、柏市などの中学校に勤めていた時は理科を教えていたが、新たな知見に追いつく必要がある。

 「外来種も入ってくるし、勉強しなければならない」。植物図鑑を執筆するために積み重ねた知識を「自分の栄養になった」と表現する。佐久間さんは長南町出身で、妻の貴美子さん(80)はこんなエピソードを明かす。「大学生時代は実家の近くで採った草花を、学校に持ち込んで調べていたそうです。自然にはとても関心が深い」

 「手賀沼周辺の自然の豊かさ」も佐久間さんの執筆意欲を刺激した。ただ体調を崩し、周囲に惜しまれながらも筆を置くことにした。連載の最終回は「サンショウバラ」。市内に居を構えたジャーナリストの杉村楚人冠(そじんかん)(一八七二〜一九四五年)は生前、この花を自宅に植えたとされ、記念館の庭園で現在も見られるという。

 星野順一郎市長は市役所で七日、佐久間さんに感謝状を手渡した。佐久間さんは笑顔で話した。「連載を終えるのは少し残念だけど、長い間続けてきたことを評価していただき、ありがたい」 (堀場達)

 

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