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【千葉】

「ふるさと喪失」慰謝料焦点 東電福島原発事故 避難者訴訟きょう判決

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 東京電力福島第一原発事故で、福島県から千葉県などに避難した十八世帯四十五人が、国と東電に計約二十八億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十二日、千葉地裁で言い渡される。故郷のかけがえのない生活を奪われた「ふるさと喪失」の慰謝料が認められるかどうかが、最大の焦点となる。 (中山岳)

 同様の訴訟は全国で約三十件、起こされており、判決は二例目。三月の前橋地裁判決は、津波は予測でき、対策を取れば事故は防げたとして、国と東電の責任を認めた。

 前橋訴訟の原告が避難生活の精神的苦痛などへの慰謝料だけを求めたのに対し、千葉訴訟の原告は、避難生活に伴う慰謝料の他、故郷の自然豊かな生活や人間関係を丸ごと奪われた「ふるさと喪失」の慰謝料として、一人二千万円を請求。一部の原告は田畑や住宅などの賠償も求めている。

 原発事故に伴う賠償を巡っては、東電は国の原子力損害賠償紛争審査会が一一年八月に示した「中間指針」などに基づき、避難指示区域内の住民に月十万円の慰謝料を、帰宅困難区域からの避難者には別に七百万円を払う。

 前橋地裁判決は、中間指針の合理性を認めた上で、指針を超える損害について、個々の事情に応じて賠償額を算定したが、賠償を認めたのは請求額のごく一部だった。

 千葉地裁の原告側は、中間指針は不十分とし、避難に伴う慰謝料として月五十万円を請求している。国や東電は「中間指針は妥当で、裁判でも尊重されるべきだ」と主張している。

 巨大津波を予測できたかを巡っては、政府の地震調査研究推進本部(推本)が二〇〇二年に公表した長期評価の信頼性が、千葉地裁の判断のポイントとなる。長期評価で推本は「福島沖を含む日本海溝沿いでマグニチュード(M)8級の津波地震が三十年以内に20%程度の確率で発生する」と予測していた。

 千葉訴訟の原告側は、長期評価を活用すれば、国や東電は福島第一原発の敷地高(約十メートル)を超す津波を予測できたとし、「非常用電源を高台に設置するなどの対策をすれば、事故を防げた」と主張した。

 被告側の東電は、長期評価は科学的な知見としては信頼度が低かったとして、「津波は予測できなかった」と主張。国は「原発事故前の法律では、東電に津波浸水の対策をさせる規制権限はなかった」としている。

 

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