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【千葉】

1980年前後の成田空港反対運動 闘争の農民、日常を追う

「現場に入り込んで人を撮るスタイルの原点になった」と話す佐伯等さん=芝山町で

写真

 30年以上前の成田空港で建設反対運動を繰り広げた地元の農民たちを撮影したアマチュア写真家の佐伯等さん(65)=旭市=の写真展「私の三里塚−1980年前後の成田−」が、芝山町岩山の成田空港空と大地の歴史館で開かれている。10月末まで。 (小沢伸介)

 大群衆を背にワゴン車の屋根の上で演説の準備をする若者、集会の合間に談笑する仲間たち、たいまつを掲げて楽しげな表情の夜のデモ行進、裁判闘争費用の工面のためキムチ作りをする女性たち−。

 プロや報道の写真家が狙った激しい闘争の現場ではなく、その前後の緊張が解けた様子や、日常の自然な表情が印象的な四十三点。開港前から一九八〇年代半ばまで十年ほど撮りためた。旧知の間柄というNAA歴史伝承委員会の波多野ゆき枝さんの誘いに応じ、初めて公開した。

 佐伯さんが農家の跡取りとして農業の道に進む決意をした十代の終わりに、本格的な生産調整が始まった。「夢を持って農業したいのに、国の決めた減反に地元の誰も反対しない。そんな中、空港建設にきっぱりと反対の意思表示をする人たちをすごいと思った」と振り返る。

 同じ農家として共感し、集会に参加するなどして年齢の近い青年行動隊員たちと顔なじみに。「関係をつくるのに時間はかかったが、レンズを向けていい表情を撮れるようになった」と懐かしんだ。

 佐伯さんは「成田空港に闘争の歴史があったことを知らない世代が増えている。自分がかかわったのはほんの一部分だが、作品を通じて当時の空気のようなものを感じてもらえたらうれしい」と話している。

 入場無料。午前十時〜午後五時開館。休館は月曜日(祝日の場合は翌日)。 

 

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