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【千葉】

県産サツマイモ「品種リレー」 秋から春、安定出荷図る

すっきりした甘さの「シルクスイート」

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 スーパーなどでの焼きいも人気に対応しようと、県などは、秋から春にかけて県産サツマイモを安定的に出荷する「品種リレー」に取り組み始めた。現在は焼きいもブームと言われ、茨城県が市場をリードする。関東地方では江戸時代に千葉から栽培が広がったとされるサツマイモ。茨城県に対抗できるのか。 (村上豊)

 県産の主力品種は、ほくほくした「ベニアズマ」で、てんぷら用などとして年間を通じて出荷されている。県などはこれに加え、焼きいも向けに、より甘い品種が人気のため、すっきりした甘さの「シルクスイート」を九〜十二月に、しっとりとして甘みが強い「べにはるか」を十二〜六月に出荷する仕組みを整えた。

 県農林総合研究センターが成田市や香取市など主要産地の生産団体と連携して、栽培や品質管理の方法を研究。三十日以上貯蔵することで甘みが増すサツマイモの特徴を生かすなどして、二〇一六年からスーパーなど大口でも安定的に供給できるようにした。

 バラバラだった品質や規格がそろい、量販店の一括仕入れに対応可能となったことで、県の担当者は「東京都内のマーケットの意向をくみ取って、県産を選んでもらえる方法を探っていきたい」と意気込む。

 サツマイモの普及活動などをしている「いも類振興会」によると、〇三年から焼きいもブームが続いているという。健康志向の高まりに加えて、専用の電気オーブンが開発され、販売方法は軽トラックでの石焼きの移動式から、スーパー店内での固定式に変わった。

 ブームをけん引してきたのは茨城県。焼きいもをおいしく焼く技術をマニュアル化するなどして、供給体制をいち早く確立した。

 一五年のサツマイモの農業産出額は、全国トップの茨城県が二百四十三億円で、二位の千葉県の百九十一億円とは五十億円以上の差がある。千葉県は一二年にトップの座を茨城県に明け渡した。茨城県は名産品の干しいもなど付加価値がある加工品の比率も高い。

 千葉県は新たな振興計画(原案)で、産地としての競争力強化と高収益化により、「農林水産王国・千葉」の復活を掲げる。その中で、イモ類全体の産出額を一五年の二百三十億円から二一年度に二百五十億円に増やす目標を立てる。

 関東地方でサツマイモの栽培が始まったのは、江戸中期の千葉・幕張とされる。飢饉(ききん)を救うため、将軍の命により青木昆陽が試作し、生産が広がったという。

 いも類振興会の鈴木昭二理事長は、千葉のサツマイモについて「明治から大正にかけて一大生産地だったが、(でんぷんなどの)原料供給から商品開発などに発展しなかった」と指摘。焼きいも市場に入り込むには「品種の特徴をPRできるかなど、商業的な視点が大切」と語る。

 

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