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【千葉】

<へぇ〜 再発見ちば> AIBOを修理、集団葬(習志野・いすみ市)

自宅兼事務所でアイボを手にする乗松伸幸さん=習志野市本大久保で

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 一九九九年に生まれ、累計で十五万体以上を売り上げたソニーのロボット犬「AIBO(アイボ)」。経営難のソニーが二〇〇六年に生産を終え、一四年には修理が打ち切られた後も、修理を手がけ、解体するアイボを供養する「葬式」を続ける会社がある。

 その会社は習志野市本大久保の「ア・ファン」。これまでに千体以上のアイボの修理を手掛けた。アイボ以外にも、カセットデッキやターンテーブルなどメーカーに断られた商品の修理も受け付ける。

 「どうしても直したい」という顧客の願いに応えようと、ソニーのエンジニアだった乗松伸幸さん(62)が一一年七月に立ち上げた。

 アイボの修理は一二年に受けた一体が始まりだった。その後、会社に「両親がペットのようにかわいがっていたから捨てられない」との声が寄せられるようになった。解体して部品取りにといった「献体」の申し出も増えた。

 会社は一五年から、部品を提供するために解体したり、修理して再利用したりするアイボを供養する集団葬を、いすみ市の光福寺で始めた。今年六月には五回目の供養を行った。

 これらの取り組みは、乗松さんがソニー時代に駐在したパキスタンやインドで、修理や営業など、何でも応じざるを得なかった経験が、支えになっている。クウェート駐在時、駐在員の子どものためにビデオデッキを直したら、大喜びしてくれた。「琴線に触れるサービスをしたい」

 だから修理を受ける際、客が商品を直したい理由を徹底して聞く。部品がない場合は、新たに作る費用を伝えた上で修理の有無を尋ねる。代金は後払い。直っているか確認してから入金してもらう。「人を信用しないでビジネスはできない。まずわれわれがお客さんを信用する」と話す。

 習志野市のほか、松山市と長野県安曇野市で社員十人ほどが働く。このほかソニーOBのエンジニアら約二十人が在宅で仕事をしている。

 昨年新卒で入社した信夫航平さん(23)は商学部出身だが、ベテランエンジニアの手ほどきを受け、今ではアイボの修理を担う。「『修理ができない』と言えず大変ですが、お客さんに喜んでもらえると思うとがんばれる」と話す。

 八月からは、アイボの「里親」制度を始めた。大切に使ってもらえる人に中古のアイボを販売している。

 来年一月には、ソニーが新たなロボット犬「aibo(アイボ)」を販売する。乗松さんは「復活はものすごく幸せ」と喜ぶ。一方で「製品を一度市場に出したら最後まで責任を持つべきだ」とも話す。メーカー側の都合でサポートが打ち切られないことを強く願っている。

 修理の問い合わせはア・ファン=電070(4014)7955=へ。 (黒籔香織)

 

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