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【千葉】

県弁護士会が高校、大学で出張授業 アルバイト例に消費者教育

「荷受け代行」など悪質なアルバイトの被害を説明する山本拓也弁護士=千葉市中央区の淑徳大で

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 県弁護士会は県内の高校や大学で、学生らを狙った悪質なアルバイトや、アルバイト先で多いトラブルなどの事例を伝える出張授業を続けている。民法の成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる民法改正案の来年の通常国会への提出が見込まれる中、若者の消費者被害の拡大を防ぐのが狙い。同会の弁護士は「トラブルが起きたら、すぐ行政機関や専門家に相談してほしい」と注意を呼び掛ける。 (黒籔香織)

 アルバイト先の店長に、「レジの金と売上金に誤差がある。レジを担当していたのは君だから、誤差分は今月の給料から引いておくね」と言われたら、あなたは応じますか−。今月七日に淑徳大で開かれた授業。山本拓也弁護士ら弁護士四人は、コミュニティ政策学部の二、三年生約九十人を前に、バイト先での理不尽な要求の実例を紹介した。

 学生からは「自分しかレジを担当していなかったら、誤差分を払わないといけないと思ってしまう」との意見が出た。山本弁護士は、ミスを防ぐため、店側には自動でお釣りを出すレジを導入する責任があることや、このような場合の天引きは労働基準法違反に当たることなど、法律で守られている労働者の権利を解説した。

 また、指定された住所に荷物を転送する「荷受け代行」と呼ばれるアルバイトを巡り、個人情報が悪用される危険性も紹介。アルバイト開始時に免許証を撮影され、その個人情報に基づいて犯人側が何十社の携帯会社と勝手に契約し、後日多額の携帯料金の請求書が届いた事例を説明した。

 山本弁護士は「携帯会社からすれば、契約者がだまされて契約しているかどうかは分からない。携帯電話は詐欺事件に利用される可能性もあり、犯罪の加害者になってしまう恐れもある」と注意を促した。

 二年生の井上卓巳さん(19)は「居酒屋でバイトをしているので、アルバイト先のトラブルは身近な話だった。労働者と会社側の責任をあらためて知ることができて良かった」と話した。

 県弁護士会では大学や高校で消費者教育の授業をする部会を六月に設立。七月以降、淑徳大をはじめ、県立津田沼高校(習志野市)や稲毛高校(千葉市)、流通経済大付属柏高校(柏市)で授業をしてきた。

 部会長の中島順隆(まさたか)弁護士は「若年者の消費者被害は多く、成人年齢が引き下がるとさらに被害は増える。特に詐欺などの犯罪の加害者にならないよう広く伝えていきたい」と話した。

 

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