東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

機能強化…暮らしどう変わる? 「成田空港の恩恵届いていない」見直し案 公表半年

成田空港の機能強化の見直し案について質疑が交わされた地区説明会=多古町で

写真

 成田空港の機能強化の見直し案が六月に公表されてから半年たち、周辺自治体では国土交通省や県、成田国際空港会社(NAA)による地区説明会が進んでいる。この中で国側は一部地区で、移転や騒音対策の基準になる新たな線引きを、誰の住まいかが分かるほど詳細な地図上に示し、公表してきた。機能強化の前後で暮らしに変化が生じる可能性がある地区の説明会を訪ね、議論に耳を傾けた。(小沢伸介)

■分断 

 空港東部の多古町では、同じ地区内で移転対象の線が引かれた。「内と外でメリットに相当の差が出る。納得いかない」「地区の寸断は子どもにも影響し、地域のつながりも厳しくなる」と、外側にされた住民から不満が噴出した。

 菅沢英毅町長は「どこかで線を引かねばならないジレンマがある」と理解を求めつつ、「相談ですが」とおもむろに切り出した。線の内側の集落の移転先を、外側の集落内で確保できないか、という提案だ。

 線引きの維持を前提にした提案だったが、住民は「農家に後継者はほとんどない。ウエルカムの状態」と態度を変えた。

■谷間 

 空港の南に位置する芝山町では、十一月の町長選を控えた相川勝重町長が説明会のあいさつで、機能強化に伴い住宅の防音効果を高める内窓設置などの新たな施策を披露して先手を打った。

 NAAは滑走路ごとに航空機の離着陸の時間をずらす「スライド運用」という複雑な方法で、飛行ルート直下の静穏時間を六時間確保すると説明する。しかし、両側を飛行機が飛んでいる谷間地区では、必ずしも確保されない。

 住民からは「実際に感じる音がないのは四時間半。私たちには『何だそれ』という感じ」「内窓を付けたとしても、よーいドンで寝ろと言うのか」と安眠への不安が漏れた。

■騒音拡大 

 騒音地域が大幅に拡大する横芝光町では、「開港時の約束を破っての機能強化は考えられない」などと夜間飛行制限の緩和に強い反発が出た。

 「何とか見直し案にご理解を」と繰り返すNAAや国交省に対し、「住民を無視しているようにしか思えない」「この町に住みたいと思うが、これでは子や孫に受け継いでほしいとは言えない」とヒートアップ。

 空港の恩恵が届かず、騒音が降ってくるだけだという不満が背景にあり、佐藤晴彦町長は「町の発展が担保されないと町民の理解は得られない」と厳しい見方を示した。

 <成田空港の運用時間1時間延長案> 2020年の東京五輪・パラリンピックまでに、A滑走路の運用時間を1時間延長し、現行の「午前6時〜午後11時」を「午前6時〜翌午前0時」とする。やむを得ない場合は0時半まで。

 3本目の滑走路となる新滑走路の利用開始後は、「午前5時〜午後11時」と「午前6時半〜翌午前0時半」を滑走路別に採用する「スライド運用」を導入。成田国際空港会社(NAA)は、飛行経路下の静穏時間として「午後11時〜翌午前5時」か「午前0時半〜6時半」の6時間を確保できるとしている。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報