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【千葉】

<2017回顧 取材メモから>「チバニアン」命名へ 人気スポット、整備課題

冷え込みが増しても見学者が途切れない千葉セクション(右)=市原市で

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 地質学で約七十七万〜十二万六千年前の時代区分が、市原市田淵の養老川沿いの崖「千葉セクション」に基づき、「チバニアン」(ラテン語で千葉時代)と命名される可能性が高まっている。現地には見学者が殺到。市は地層を「文化財」ととらえ、国天然記念物の指定に向けて動きだした。

 「千葉セクションは、地磁気の逆転がきちんと記録されているのが強みだった」。国際地質科学連合による一次審査通過後の十一月十四日、日本の研究チームの代表を務める茨城大の岡田誠教授(52)=古地磁気学=が記者会見で振り返った。

 千葉セクションは養老川沿いの高さ約十五メートル、幅約三十メートルの崖面。地球は大きな磁石のようなもので、過去に何度もN極とS極が入れ替わり、七十七万年前に最後の逆転が起きた。千葉セクションでは、崖の上部に御嶽山(長野県・岐阜県)が七十七万年前に噴火して堆積した火山灰層があり、その上下の地層でN極とS極が逆転した痕跡が確認できるという。

 岡田教授らは六月、名前の付いていない七十七万年前の時代区分をチバニアンと呼び、その代表地点を千葉セクションとするよう国際地質科学連合に申請。十一月の一次審査で、イタリアの候補地を退け、最有力候補に残った。今後、三回の審査を通過すれば、初めて日本の地名が地球の歴史に刻まれることになる。

 一次審査通過後、千葉セクションの見学者が急増。最高で一日九百人が訪れる日もあった。十二月中旬、木更津市から来た木更津第三中学一年の瀬間吉矩君(13)は「どこにでもありそうな崖を調べた研究者はすごい」と感心しきり。「十一月の理科のテストの問題で出たので、実際に見に来たかった」と話した。

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 市原市は、千葉セクションに近い田淵会館と駐車場などを結ぶ土日祝日限定の無料シャトルバスを、年末年始を除き、来年一月二十八日まで運行する。

 市原市は千葉セクション一帯の国天然記念物指定を目指し、来年一月にも県を通じて国に申請する。国天然記念物に指定されれば、文化財保護法の下、国の補助金を活用し、市が一帯を整備できる。県によると、早ければ来年秋に指定される見通しだ。

 取材では「崖を見ても、何が何だかよく分からない」といった声を耳にした。正式に命名されれば、海外からの観光客も予想される。世界に市原や千葉県を発信できる絶好の機会。千葉セクションをいかに多くの人に知ってもらうか。来年以降の市の取り組みに注目したい。 (美細津仁志)=終わり

 

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