東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

<家族のカタチ>(8)船橋の親子3代ナシ農家 経験と新機軸でW大臣賞

自宅近くのナシ園で談笑する(左から)豊田和彦さん、大輔さん、功さん=船橋市で

写真

 「いい感じで仕事が回っているのは、お互いに話し合っているから」。豊田大輔さん(27)がそう話すと、父親の和彦さん(53)は「三人が突っ張っていると、やる気が出なくなる」と笑った。祖父の功さん(78)も「(息子と孫の)それぞれのやり方がある。それに合わせることも大切だし」。

 船橋市北部の大穴北地区で「豊田梨園」を営む豊田さん一家。ナシ栽培は功さんが二代目。四代目の大輔さんは昨年八月、県内のナシ農家がえりすぐりの幸水を出品した「千葉なし味自慢コンテスト」で農林水産大臣賞に輝いた。和彦さんも二〇一二年に同賞を受賞している。

 千葉県のナシ栽培は江戸時代末期から始まったとされ、現在は栽培面積、収穫量、出荷量とも全国一。シャキシャキとした食感と甘い果汁が人気を集めている。「船橋のなし」は特許庁の地域団体商標(地域ブランド)に登録されており、豊田さん親子の快挙に地元の農業関係者らから祝福の声が相次いだ。

 自慢のナシに育てるため、年間を通して手間と時間をかけている。十二月に肥料を与え、三月にかけて枝切り、四月の開花時期からは交配、摘花などを経て、夏に収穫期を迎える。こうした作業のほか、功さんは散歩しながら近所のナシの木などを見て回り、各農家の栽培方法を探っている。

 大輔さんは各地で開かれる勉強会などに参加し、最新の栽培技術を取り入れる。作業日誌への書き込みも欠かさない。近年は温暖化が進んでおり、これまでの栽培方法では、うまくいかないことも多いという。

 「インターネットなどには、いっぱい情報が載っている。だけど、ナシ農家には個性・違いがあるから、正解はない。ウチに合っている栽培方法を見つけるしかなく、おいしいナシができれば正解なんです」と大輔さん。そんな父親と息子の姿を見ながら、和彦さんは「おやじの経験と、大輔の新しい情報・技術とを組み合わせながら、これからもいいナシを作りたい」。

 「年々仕事が楽しくなっている。ナシのことが、どんどん分かるようになってきたから」と話す大輔さんを、父親と祖父が笑顔で見つめた。 (保母哲)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報