東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

<ひとキラリ>足元から暮らし楽しく 白子の靴職人・小高善和さん

それぞれの暮らしに合わせた革靴作りを続ける小高善和さん=白子町驚で

写真

 歩くのが楽しくなる、それぞれの暮らしに合わせた革靴を届けたい−。人生の晴れの日から普段使いまで、オーダーメードの靴を手掛ける職人がいる。白子町驚(おどろき)で工房を営む靴職人小高善和さん(40)。「自分の手でつくる喜びを知ってもらいたい」と、ベビーシューズやサンダル、財布などのワークショップも開き、魅力を伝えている。(黒籔香織)

 工房は実家の倉庫を改装した約三十平方メートル。壁一面に見本の革靴や、型がずらりと並ぶ。成人式を迎える息子に父親が贈る靴、米寿の母親が外に出たくなるようにとの願いを娘が込めた靴など、さまざまな注文が届く。イタリア・トスカーナ地方のタンニンなめしの牛革を使い、年間約百足を手掛ける。

 工房と同時期に始めた「くつつくりワークショップ」には、県内在住の計十二人が週に一回通う。参加者は、小高さんのアドバイスを受けながら、ベビーシューズなどを一から作ったり、既製品の靴を自分の足に合わせて手直ししたり…。数カ月で一足のペースで仕上げていく。

 「靴を作ると、どのように縫い合わせるか、どんな模様を入れるか、ミシンの入れ方一つで悩む。いかに自分が限られた選択肢の中で生きているかを感じ、たくさんの選択肢に気付いてもらえる」と小高さんは語る。

 米国のファッションブランド「ラルフローレン」で契約社員として働いた。その後、大手ホームセンターの正社員となった小高さんは二〇〇三年、東京の靴専門学校「モゲワークショップ」に通い、靴職人を目指す。二十五歳の時だった。七年後の一〇年六月、実家の敷地に工房を構えた。

 意識しているのは、生活に即した靴。「足も暮らしも仕事も、それぞれに合わせた形のもので包むことで気持ち良く過ごせる」。東京に比べて車での移動が多い地域性を考え、履き口が広くて脱ぎやすく、柔らかい素材の靴も提案する。「お客さんの足に合わないと商品として成り立たないところが面白い」

 大量生産、大量消費の商品があふれる時代。小高さんは「誰が作ったか分かるものが一つ、家にあるだけで、暮らしが豊かになるのでは。メンテナンスをしながら長く付き合える靴を作りたい」と話す。

 既存の木型を使ったセミオーダーの靴は三万五千円から。ワークショップは随時、参加を受け付けている。問い合わせは小高善和靴工房=電080(4448)0156=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報