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【千葉】

成田空港の機能強化 周辺9市町「飛行制限緩和 改善を」

 成田空港の機能強化案を巡り、成田市や芝山町など空港周辺の九市町でつくる「成田空港圏自治体連絡協議会」が二十六日、芝山町役場であり、夜間・早朝の飛行制限時間の緩和の改善や騒音対策の拡充などを求める六項目の要望書をまとめた。国や県、成田国際空港会社(NAA)に要望書を提出し、回答を得てから、九市町として機能強化案を受け入れるかどうかの結論を出す方針。 (小沢伸介)

 NAAが昨年六月に提示した、二〇二〇年までにA滑走路で飛行制限時間を現行の七時間から六時間に短縮する案について、追加防音工事の速やかな実施を求めるほか、C滑走路供用開始後に空港全体の飛行制限時間を四時間半に短縮する案では、深夜早朝の騒音軽減策について引き続き協議を行うことを求める。

 地域振興策では横芝光町を念頭に、騒音地域が大幅に拡大する自治体で、雇用確保や産業振興につながる実効的な事業の推進に配慮することも盛り込んだ。

 協議会長の小泉一成・成田市長は「飛行制限緩和は、今のままでは理解が得られるか厳しい状況。(滑走路ごとに発着時間をずらす)スライド運用の工夫など、騒音軽減に向け、より一歩の検討をしてほしい」と述べた。

県などへの要望事項を話し合う空港周辺の市町長ら=芝山町役場で

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◆自治体間に温度差

 成田空港の機能強化案で示されたC滑走路の新設により、市街地まで広範囲の騒音影響が見込まれる横芝光町では、住民説明会で飛行制限時間の短縮に対して反発の声が相次いだ。今も変わらず不満がくすぶっている。

 佐藤晴彦町長は会合後、「私たちは経験したことがない騒音被害を受けることになり、住民の拒否反応はあると思う」と述べ、慎重な態度を崩していない。

 要望書には「一定の評価をしたい」とし、夜間飛行制限緩和案の改善は「(飛行制限時間の)見直しも含んでいるのではないか、という認識でいる」と期待をにじませた。

 要望書は具体的な文言を避けながらも、町への配慮がちりばめられ、小泉一成・成田市長は「横芝光町の状況はほかの八市町も認識している。しっかりと支えていきたい」と語った。

 しかし、町内の住民組織「航空機騒音から生活を守る会」の鈴木信雄会長(76)は「九市町の要望は生ぬるい」と断じる。「午後十一時から午前六時の飛行制限は、どんなことがあっても譲れない。町が破壊される」と危機感をあらわにした。

 一方で、相川勝重・芝山町長は「ようやく登山が始まる。例えるならまだ七合目だ」と気を引き締め、菅沢英毅・多古町長は「早く町民の生活設計に踏み込まないといけない」と回答に期待を寄せるなど、自治体間の温度差も浮かび上がった。 (小沢伸介、美細津仁志)

<成田空港の機能強化案> アジアの空港間競争を背景に、成田国際空港会社(NAA)が2016年9月、年間発着枠を現在の30万回から50万回に拡大するとして提案。3本目のC滑走路新設や、飛行制限時間を現行の「午後11時〜翌日午前6時」から「午前1時〜5時」に3時間短縮する案を示した。

 だが周辺住民らが強く反発し、NAAは昨年6月に見直し案を提示。2020年の東京五輪・パラリンピックまでに、まずA滑走路の飛行制限時間を「午前0時〜6時」に短縮。C滑走路の供用開始後は、滑走路ごとに発着時間をずらすスライド運用方式を導入し、全体の飛行制限時間を「午前0時半〜5時」とする案を示している。

 

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