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【千葉】

市川市長・市議補選再点検 「決定書見て対応判断」

昨秋の市長選と市議補選に投じられた票を再点検する市職員=市川市で

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 昨年十一月の市長選と市議補選(被選挙数二)で市民二人からの異議申し出を受け、市川市選挙管理委員会が二十九日に行った全票の再点検。「開票作業に疑問がある」などと問題視した二人も立ち会った。約三時間の作業終了後、二人は、異議に対する選管の判断を示す決定書が二月中に交付されることから、「決定書を見て今後の対応を考えたい」などと話した。得票数は、市長選と市議補選で各二候補が一票ずつ増減した。 (保母哲)

 再点検は市内の国府台市民体育館・第一体育館で行われた。市長選五人と市議補選六人に投じられ、候補者ごとに段ボールに保管されていた票が運び込まれ、午後一時すぎに職員の手で開封。両選挙での無効票も確認するため、計十三の点検台の上で、市職員百八人が一票ずつ名前を確認するなどの作業を続けた。

 数え直した票数は市長選が十二万一千百二十一票、市議補選が十二万一千四十五票。午後四時ごろに終了し、立候補者の得票は、無効票の取り扱いなどで昨秋と異なったが、市選管は「選挙結果である得票は昨秋から変わらない。今回の得票は再点検の票」としている。

 得票数が異なったことに、佐々木和夫委員長は「大変申し訳ない。原因を究明し、対策を講じたい」と話した。

 この再点検には、市選管に異議を申し出た元市議の石崎英幸さん(48)と、もう一人の市民も立ち会った。もう一人は取材で、杏林(きょうりん)大学名誉教授の武内成(おさむ)さん(72)と判明。異議内容について武内さんは、石崎さんと同様に「市選管の中間票の出し方がおかしい。ある候補は一回目の票がどっと出て、次はわずかだったりした」などと説明した。

◆「開票に監視カメラを」「異なる票、おかしい」立ち会いの異議申し出人

 市川市選管に異議を申し出た石崎英幸さんと武内成さんは、再点検後、取材に応じた。石崎さんは「選管が票を保管していた段ボールの底には、一部で穴が開いていた。保管状況に問題がある」などと話した。

 市選管の決定後、次は県選管へも審査申し立てをするかどうかは、「市選管が真摯(しんし)な対応をするかどうかだ」と述べるとともに、「選挙の開票場では、不正が起きないよう監視カメラを設置してほしい」と強調した。

 武内さんは再点検で、昨年の市長選と市議補選の票が異なったことを問題視した。「誤差の範囲内なのかもしれないが、すっきりしない。こんなことで(選挙結果が)民意を反映していると言えるのか。開票作業の方法を根本的に考え直すべきだ」と指摘した。

 段ボールの穴について、市選管は「再点検のため開封後、内側に票が残っていないかを確認するため箱を持ち上げるなどし、穴が開いてしまった。保管時に穴が開いた形跡はない」と説明している。

◆市民の関心低い/市選管に説明責任

 この日は市民三十二人が、二階観覧席から再点検の作業を見守った。

 「公開で行ったことは意味がある。会場の体育館が休館日で、市職員の勤務時間内に行ったことも、人件費などをかけないよう配慮した点がいい」。会社員の宿谷尚之(しゅくやたかゆき)さん(50)はこう話しながらも、「市長選が再選挙になったり、こうした再点検を知らない市民が多い」と、市民の関心が低いことを残念がった。

 選挙の開票作業などを初めて見たという主婦(40)は「通常の選挙の開票作業は夜間に行われるから、見に行けない。今回は平日の昼間に行われたから、見学できた」。昨秋の市長選に立候補した候補者の一人も姿を見せ、「異議を申し出た人からは、票の再点検以外の指摘も出ており、市選管は有権者への説明責任がある」と話した。

◆遅れた選管の対応「準備に時間」

 市川市選管は、今回の票の再点検のほか、昨秋の市長選と市議補選の開票事務に携わった職員への聞き取り調査などを踏まえ、「異議」への判断である決定の書面を交付する。交付時期は「二月中」としている。

 公選法二一三条では、決定までの期間として「申し出を受けた日から三十日以内にするよう努めなければならない」と規定。「三十日以内」が努力規定とはいえ、市選管に「異議」の書面が提出されたのは昨年十一月二十九日と十二月六日。既に二カ月近くたっており、その対応が遅れているのは間違いない。

 これまで異議を受けた多くの自治体選管が、市民の異議申し出から一カ月ほどで再点検を実施している。埼玉県春日部市選管は「異議を受理した日から一カ月以内に決定書を出せるように、票の再点検日を設定した」と話す。

 再点検や決定書が遅れることに、市川市選管の佐々木和夫委員長は「三十日以内を守れず、申し訳ない」と陳謝しつつ、「二十四万票余の再点検の準備には、機材や人員配置などで時間がかかる」と説明。笠原智副市長も「異議申出書の趣旨を一行一行、丁寧に確認しており、職員への聞き取りもあって時間がかかっている」と釈明している。 (保母哲)

 

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