東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

食べてほしいけど品不足 県ジビエフェア、2店不参加

参加者の前でジビエ料理を試食する滝川副知事=県庁食堂で

写真

 農作物を食い荒らす野生鳥獣を有効活用する「ジビエ料理」を広く味わってもらおうと、県は約五十の飲食店で多彩な料理を提供する「房総ジビエフェア」を、二十五日まで開いている。ジビエの消費拡大には捕獲後の食肉処理数を増やす必要があるが、フェアでも供給が行き渡らず課題が浮き彫りになった。 (村上豊)

 フェアに先立ち、県庁食堂で先月二十四日に開かれたジビエメニューの試食会。滝川伸輔副知事が五十人以上の参加者を前に、イノシシのカレーやすき鍋、シカ肉のベリーソースなどの五品を食べ、「食べ慣れていない人に」「メタボなオジサンにお勧め」と食レポした。

 三回目となるフェアには東京都内の二店と、県内の四十七店が参加する予定だった。ところが直前になって二店が取りやめた。理由は品不足で、食肉加工施設から食肉を入手できなかったためだ。県の担当者は「供給が少なくフェアを最後まで続けられるか」と心配する。

 県内には捕獲した鳥獣を食肉加工する施設が、勝浦市や君津市、大多喜町などに計五つあるが、二〇一六年度のイノシシの処理数は三百四十頭。目標の七百八十頭に対する稼働率は四割にとどまる。

 同年度に県内で捕獲した約二万八千頭(病気や子どもで処理できないものも含む)に占める割合だと1%しかない。大人のイノシシの体重は三〇〜六〇キロほどで、そのうち肉になるのは半分以下。供給が少なく価格も高止まりしている。

 フェアの参加店からは、「二週間手に入らないこともある」と入手不足とともに、「豚肉の五倍する」「牛肉より高い」など価格面の不満の声が聞かれた。

試食会で出たジビエ料理

写真

 処理数が少ないのは、鮮度保持のため仕留めた後すぐに解体するルールがあり、処理施設に近い場所でしか市場向けのイノシシを確保できないためだ。さらに福島第一原発事故後に、国などが義務付けている検査体制の厳格化がある。加工施設が引き取る際に施設と市町の職員が、わななどの捕獲場所での仕留め作業に立ち会う必要があるうえ、放射性物質の全頭検査が義務付けられている。

 県ではこれまで千頭以上を検査しているが、二〇一三年二月〜一四年一月に四頭から基準値を超える放射性物質が検出されて以降は、検出がないという。

 県はハンターの入門セミナーを今月十七日に開くなど鳥獣害対策を強化しているが、捕獲後の有効活用が進まず、多くが埋設処分されている。

 県は処理数の増加に向けて、五日から立ち会い業務を廃止。捕獲者台帳に記入することで捕獲場所を確認できるようにした。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報