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【千葉】

<家族のカタチ>(11)一家4人で「地ビール」造り 塾経営から転身、夢に挑戦

地ビールの魅力を語る(右から)丹羽文隆さん、一宇さん、和子さん、岳悠さん=柏市の「柏ビール」で

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 柏市役所近くに昨年末、地ビールの醸造所兼レストランが開業した。市内で学習塾を営んできた男性が還暦を機に、妻と息子二人の協力を得て、長年の夢だった酒造りの道に踏み出した。一家四人は「ビールの原料や料理に、地域の農産物を取り入れ、地元に愛されるようになりたい」と意気込む。

 男性は丹羽文隆さん(60)。親が一九五六年に始めた学習塾を経営し、妻の和子さん(59)とともに小中学生を教えてきた。塾の子どもたちに農業体験をしてもらおうと、白井、柏市内に約六十アールの畑を借りて、小麦やイモを栽培してきた。

 収穫した小麦は、和子さんが趣味のパン作りに使っても余ってしまう。使い道を考えるうち、文隆さんは、東大農学部在学中に醸造学を教わって「いつか醸造業に関わりたい」と夢見ていたことを思い出した。

 「ビールを造ってみよう」という文隆さんの着想を、三男の一宇(かずひろ)さん(27)が後押しした。一宇さんはハンガリーの医科大学に進んだが、本場のビールを味わい、その魅力に引き込まれた。「目指していた外科医が、自分には不向きだと感じた」こともあり、大学を中退し、昨年十二月、醸造に必要な発泡酒の製造免許を取得した。

 免許取得から間もない同月十六日にオープンした醸造所兼レストランは、地元の食材を活用していきたいという気持ちを込めて「柏ビール」と名付けた。社長を文隆さん、料理担当を和子さん、工場長を一宇さんが務める。

 そして次男の岳悠(たけひろ)さん(30)が「営業部長」に就いた。「自営業は嫌」とサラリーマンになった岳悠さんは「会社勤務の未経験者のみで事業を進めるのは不安だったので」と、勤務先を退職して、両親、弟の支援に乗り出した。

 現在、提供しているビールの原料の大麦、ホップは海外や県外から取り寄せ、小麦の一部は自家栽培品を使っているが、文隆さんは「ホップは栽培が容易で、利根川沿いの農地は、麦栽培に適しているので、地元産の割合を増やしていける」という構想を描く。

 メニューの一つ「そのべイチゴエール」は、手賀沼畔で農場を営む園辺一男さん(74)らが栽培したイチゴを使ったフルーツビールだ。ブルーベリーやショウガなど、ほかの地元農産物を原料にしたオリジナルビールの醸造に今後も挑戦するという。

 ビールは当面、レストランのみで提供されるが、瓶詰商品も開発し、販路の拡大を目指す。文隆さんは「さまざまな地ビールを製造したい。市内の飲食店ごとに違った味のビールを楽しめられるようにするなど、街おこしにつなげたい」と目標を掲げる。 (堀場達)

 柏ビールは毎週木−日曜の午後5時半〜10時半に営業。ビールのメニューは、ホップの香りが特徴的な「柏ペールエール」、黒色で麦芽の香ばしさが引き立つ「手賀沼ポーター」など7種類。いずれもグラス1杯(420ミリリットル)で650円(税抜き)。問い合わせは、同店=電04(7199)7774=へ。

 

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