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【千葉】

まちづくりに空き家活用 松戸市モデル事業 民間会社と連携

ハンマーなどを使い天井をはがす千葉大生=松戸市で

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 増加傾向にある市内の空き家対策の一環で、松戸市は民間と連携し、空き家を活用して、まちづくりに結び付けるモデル事業に乗り出した。第1弾は、中心市街地を見下ろす千葉大学園芸学部の通用門前にある空き家「こけし荘」の活用。民間のまちづくり会社がリノベーション(大規模改修)を手掛け、同大の学生らが地元の住環境改善に力を貸した。 (林容史)

 市は昨年七〜八月にかけて、市内の空き家活用について公募。「まちづクリエイティブ」(松戸市、寺井元一社長)を事業者として選定し、補助金支出を決定した。二〇一〇年設立の同社は、埼玉県の埼京線沿線や佐賀県武雄市のまちづくりも請け負っている。

 市などによると、こけし荘は一九六二年築とされる。木造二階建てで延べ床面積は約百二十六平方メートル。学生用のアパートだったこともあるが、二十年以上、誰も住んでいないという。同社が所有者から一括して借り受け、リノベーションして入居者に転貸する。

 今回、市空き家等対策協議会委員を務める同大大学院の秋田典子准教授が、学生に作業参加を呼び掛けた。「空き家を使うことで地域が明るくなり、安全にもなる。自分の手を使い、汗をかいて身をもって地域の環境を良くする体験をしてほしかった」と説明する。

 学生たちは一月九日、空き家の現状を学び、有効な活用方法について意見交換した。同二十四日にはリノベーションの第一歩となるこけし荘の解体に挑戦。工務店の大工から指導を受け、ハンマーやバール、のこぎりなどの工具を手に、ほこりまみれになりながら壁を抜き、天井や床をはがした。

 大学院園芸学研究科二年の宮野志保さん(24)は「解体なんて経験したことがなかったので楽しかった」、ハンマーで天井を壊した同大緑地環境学科二年の松村葵さん(20)は「前を通るたび、いつも不思議に思っていたこけし荘の新たな始まりに関われて良かった」と話した。

リノベーションされる千葉大学園芸学部前の空き家「こけし荘」

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 まちづクリエイティブによると、こけし荘は、今春には利用できるようにするという。その後は実際に使いながら、さまざまなアイデアを出し合って改修を重ねていく。学生の活動拠点や地域住民の交流の場として利用する計画もあるという。

 市によると、核家族化の進展や高齢人口の増加により高齢世帯が増えるに従い、空き家も増える傾向にある。高齢の住人が死亡しても相続人が不明なほか、更地にすれば固定資産税が四倍に跳ね上がるため、解体費用をかけずにそのまま空き家として放置するケースが多いという。

 空き家のうち、市は倒壊の危険性や衛生上の問題があったり、周辺の住環境を悪化させたりしている空き家を「特定空き家候補」と規定している。一五年度の市の調査では特定空き家候補は百四十一棟あった。

 市空家活用推進室の青柳英生室長は「所有者と事業者のマッチングをはじめ事業化について研究し、今後の空き家活用の方向性を見いだしていきたい」と話している。

 

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