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【千葉】

房総の宝 ヨウ素を有効活用 千葉大と4企業が共同研究 世界シェア21%産出

連携協定の締結式後、研究施設の模型の前でポーズを決める徳久剛史学長(左から3人目)と企業関係者ら=千葉大学西千葉キャンパスで

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 房総半島で採れるヨウ素を有効活用しようと、千葉大学と企業四社が共同研究で協定を結んだ。ヨウ素は、県内で世界シェアの21%を産出、幅広い用途がある天然資源。だが大半を原料のまま輸出し、製品化されたものを輸入しているのが現状だ。付加価値を付けた次世代太陽電池の開発などで“宝の持ち腐れ”の解消を狙う。 (村上豊)

 ヨウ素は、消毒薬のヨードチンキやエックス線造影剤などの原料に使われる。四千九百万年前の海底にたい積した海藻や魚の死がいと考えられ、茂原市やいすみ市の地下にある水溶性ガス田からメタンガスと一緒に企業がくみ上げている。

 ただ現状では、原料として一トン当たり三百万円で輸出する一方、欧米などから二億円分の製品を輸入。国内で付加価値を付け、産業として幅広く生かしてこなかった。

 千葉大(千葉市稲毛区)で今月七日にあった協定の締結式。県内でヨウ素を産出する三メーカーなどが参加した。三社は創業七十〜九十年の老舗だ。

 国内で用途開発が進まなかった理由について、伊勢化学工業(東京)の藤野隆社長は「ヨードチンキなどの需要に甘んじ、戦後、欧米企業のように違った用途の開発に考えが及ばなかった」、合同資源(同)の舘良男社長は「研究開発に費用をかけるリスクを取ってこなかった」と述べ、産学連携の成果を期待した。

 共同研究では、エネルギー変換効率の高い次世代太陽電池やディスプレー向け有機薄膜といった素材、がんを診断できる薬剤の開発のほか、高度な産出方法やリサイクル技術の確立を目標にする。県内での地場産業の育成も目指す。

 共同研究は、文部科学省の助成を受けて五月に完成する「千葉ヨウ素資源イノベーションセンター」(大学内)を拠点にする。千葉大にはヨウ素学会の本部があり、有機化学や生命科学などヨウ素研究に関わる研究員らが多く在籍。産学合わせて三十人ほどで取り組む。

 

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