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【千葉】

外房細かく津波予測へ 県独自のシステム先行導入

県は2019年度から、一宮町などで津波浸水予測システムを導入する。釣ケ崎海岸の一帯=本社ヘリ「まなづる」から

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 東日本大震災を教訓に、外房地域の海岸ごとの津波浸水をきめ細かく予測しようと、県は2019年度から一宮町などで予測システムを導入する。10メートル四方の範囲ごとの津波の高さや到達時間の予測情報を、市町村を通して県民や、20年東京五輪・パラリンピックなどで訪れた観光客に伝え、迅速な避難ができるようにする。 (村上豊)

 一一年三月の東日本大震災の津波により、県内では旭市で十四人が死亡(うち震災関連死一人)、二人が行方不明になった。同市の津波の最大痕跡は高さ七・六メートルだった。

 県が一六年に公表した想定では、県東方沖でマグニチュード(M)8・2の地震が発生した場合、外房に二・六〜八・八メートルの津波が十〜二十分で到達し、勝浦市や御宿町を中心に最大約五千六百人が死亡。迅速な避難ができれば死者は大幅に減るとみている。

 予測システムでは、国の防災科学技術研究所が房総沖などの海底に設置した地震・津波計(S−net)の観測データを県が専用回線で受信する。県は、県内の地形を踏まえた二千種類以上の津波パターンから、浸水域や到達時間の予測を独自に算出する。

 地震を検知したら、市町村に発生から五〜十分で配信するほか、住民や沿岸にいる人にもメールで伝える方法を検討する。市町村はデータを避難や救助に役立てる。一九年度に一宮町のほか勝浦、鴨川、いすみの三市で先行導入し、二〇年度には外房沿岸の十五市町村での運用を目指す。

 県にはこれまで津波情報を独自に知らせるシステムがなく、気象庁の予報や警報を利用していた。だが外房一帯をひとまとめに予測。市町村ごとの詳しい情報ではなかった。

 県は初期費用約二千万円を盛り込んだ一八年度予算案を県議会に提出。毎年六百万円の運用費用を見込む。同様の仕組みは和歌山、三重県が活用しているが、東日本では千葉県が初の導入となる。

 一宮町の津波ハザードマップでは、高さ十メートルの津波が発生した場合、沿岸一帯が二〜三メートル浸水すると見込み、海抜の高い内陸への避難を呼びかけている。東京オリンピックでは同町・釣ケ崎海岸がサーフィンの会場となり、大会期間中は数千人規模の観客の来場が予想される。

 津波予測システムについて、町総務課の担当者は「町民に迅速な情報を伝達できる。オリンピック会場での対応を含め、町外から来た人への連絡手段としても考えたい」と話し、予測情報を屋外スピーカーから流れる防災行政無線などで伝える方法を検討する。

 

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