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【千葉】

福島から避難の県内6世帯19人集団訴訟 線量計「まだ上がるよ…」

畑での空間線量(地表から1センチ)の計測作業を不安そうに見守る羽田さん(中)。後ろには除染作業で出た汚染土を詰めたフレコンバッグが置かれていた=福島市内で

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 東京電力福島第一原発事故から間もなく七年。福島県の避難指示区域外から千葉県内に避難した六世帯十九人が国と東電に約二億七千万円の損害賠償を求めた集団訴訟の弁護団や原告らが七日、福島市内にある原告三世帯の自宅や周辺の畑などで、空間放射線量の測定などの調査を行った。国の空間放射線量の基準値(毎時〇・二三マイクロシーベルト)を超えた場所もあり、弁護団は訴訟の証拠資料として、千葉地裁に提出する。 (美細津仁志)

 「おいおい、まだ上がるよ」。地表から一センチの高さにセットした線量計の数値に、計測に協力した東京の有志団体「ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト」のメンバーから驚きの声が上がった。

 その場所は、原告の一人で、福島市から千葉市に避難している羽田典子さん(62)の亡父が作物を育てていた阿武隈川沿いの畑。今は知り合いが借り、野菜を作っている。

 市中心部にある羽田さんの自宅で雨どい周辺を調べると、地表から四十センチで、毎時四・六八マイクロシーベルトを計測した。羽田さんによると、業者の都合で、雨どいにつながる屋根は、除染されなかったという。「自宅に戻るたびに体調を崩す理由が分かった。これからどうしていいかますます分からなくなった」

 原告の菅野貴浩さん(55)の自宅は、市中心部から南東約二キロの渡利地区にある。震災直後から線量が高いとうわさされてきた、自宅から程近い国道一一四号沿いの斜面も調査。この日は高さ一センチで毎時五・四一マイクロシーベルトを計測した。同プロジェクトの中村順さん(68)は「放射線は消えることがない。住宅街でも探せばまだホットスポットはある」と指摘した。

 この日の調査には弁護士や原告、支援者、同プロジェクトメンバーの計十四人が参加。三世帯の自宅や周囲など約二十カ所で空間線量を計測し、土も十三カ所で採集した。

 弁護団の藤岡拓郎事務局次長は「原告の自宅や身近な場所で、これだけの高い数値が出た。震災後に避難し、それを継続する合理性を確認できた」と述べた。

 十三日は、残りの原告の三世帯が暮らしていた南相馬市といわき市で調査する。

 

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