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【千葉】

歴博の正倉院文書 複製事業 寄付続々「予想外の反響」

 佐倉市の国立歴史民俗博物館(歴博)が長年取り組んできた正倉院文書を複製する事業で、予算不足をまかなうためインターネットを通じて資金調達する「クラウドファンディング」を初めて活用したところ、予想を超えるスピードで寄付が集まり、目標を達成した後も増え続けている。 (小沢伸介)

 歴博によると、正倉院文書は、奈良市の東大寺正倉院に保管されてきた文書群で、日本最古の千三百年前の紙史料。全部で六百六十七巻五冊が残されている。戸籍や税の記載があり、奈良時代の律令(りつりょう)制で諸国が地域をどう支配していたかや、当時の暮らしの様子も分かるという。

 寄付を募っているサイトには、寄付者から「国民の宝」「歴史研究上の重要性を強く感じている」「医療費を削って寄付致します」などと応援する声が多く寄せられた。

 同時に、「世界の宝を複製する予算もない国になってしまったのかと憤まんやる方ない気分」「予算削減を恥ずかしく思う」といった、複製事業の予算を減額してきた国に対する厳しい指摘も届いたという。

 最初の目標は一巻分の複製に必要な三百五十万円。三月三十日を期限として一月十五日にスタートし、二月上旬に達成。第二目標としていた二巻分の七百万円も二月下旬に到達した。これまでに国内外の四百七十人から八百七十万円余りが集まった。歴博の担当者は「始める前は、期限までに三百五十万円が集まるかどうかも不安だった。予想外の反響に驚き、感謝している」と話す。

 歴博は正倉院文書の保存や公開、研究の進展のため、精巧な完全複製を目指して一九八一年に事業着手。これまでに三百九十巻四冊が完成した。当初は年十数巻のペースで複製してきたが、近年は予算が削られた影響で年数巻しか作業が進まず、全巻完成のめどが立たない危機的な状況になっていた。

 寄付は今月三十日まで受け付けており、五千円から五十万円まで七段階の寄付額に応じて企画展示や特別解説会への招待、複製作業の見学などの特典がある。

 寄付は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/rekihaku1)で受け付けている。

 

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