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【千葉】

指定廃棄物の行方決まらない 国動かず地元困惑

北部クリーンセンターに設けられ、計494トンの指定廃棄物を保管する2基のボックスカルバート=柏市で

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 東京電力福島第一原発事故で飛散した放射性物質を含む「指定廃棄物」の最終処分がいまだ定まらない。事故から七年。県内では東葛地域を中心に、九市で計三七一〇・九トンを分散保管している。各市などの度重なる要望にかかわらず、国は処分に向けての具体案を示さず、廃棄物を仮保管している地元には、困惑が広がる。 (堀場達、中山岳)

 指定廃棄物の県内保管量(昨年十二月時点)は、一年前の二〇一六年十二月時点と比べ、野田市で四・四トン増えた。同市内の小中学校五校の屋上で昨年二月、側溝にたまった汚泥から、国の基準値(一キロ当たり八〇〇〇ベクレル)を超える放射性セシウムが検出され、市はこの汚泥を新たに指定廃棄物として環境省に申告したためだ。

 九市のうち、最多は柏市の一〇六三・九トン。南北のクリーンセンターをはじめとする市内三カ所で「ボックスカルバート」と呼ばれる巨大なコンクリート容器に収めるなどして保管している。県手賀沼流域下水道終末処理場(我孫子市)に二年余りの期限付きで預けていた分が返却された一五年三月以降、柏市で保管している指定廃棄物の量に変化はない。

 柏市は、三カ所の保管地周辺の住民団体と「仮保管の期間は国が最終処分場(長期管理施設)を確保するまで」という内容の確認書を交わした。確認書を交わした後、三年が経過しても最終処分場確保のメドが立たない場合は、対策をあらためて協議するとしていた。最初に交わした北部クリーンセンター近くの二町会との期限は、今年二月で切れた。

 市の担当者は「再協議を申し入れ、保管の継続を承諾してもらった。放射性物質が漏れ出す恐れは少なく、放射線量測定も定期的に行っており、地元に不安はないと思う」と強調する。町会の男性会長は「ない方がいいに決まっているが、国が動かない限り、何も解決しない」とあきらめ気味に話す。今月二十六日には南部クリーンセンター周囲の三自治会との再協議期限が迫る。

中川雅治環境相(右)に、最終処分場の早期確保などを要望する柏市の秋山浩保市長ら(テーブル左側)=1月12日、東京・霞が関の環境省で

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 指定廃棄物は、国の責任で処分場を整備し、長期管理することになっている。このため、東葛を中心とした柏、松戸、流山、我孫子、印西各市は、国に指定廃棄物の長期管理施設を早期に確保するよう申し入れを繰り返してきた。五市長連名で五回目となった今年一月十二日の要望では「国の取り組み状況を市民に説明すること」を新たに求めた。有効な手だてが打てないならば、その釈明くらいはしてほしいという、地元自治体としては当然の主張だ。

 県内では一四年四月に市町村長会議で一カ所に集約保管する方針が決まり、環境省は一五年四月、東電千葉火力発電所(千葉市)を候補地に選んだが、千葉市は受け入れを拒否。指定廃棄物のセシウム濃度が基準を下回ったとの測定結果を国に示し、一六年七月に千葉市が保管していた七・七トン分の指定が解除された。

 「千葉市としては、指定廃棄物がない状態で、最終処分場を市内に建設することは受け入れられない。処理責任はあくまで国にある」(担当職員)との立場だ。

 一五年三月までに最終処分場を設けるという国の当初方針が、ほごにされて三年。指定廃棄物の仮保管は、各市の想定した期間を大きく超え、長期化の一途をたどる。

<指定廃棄物> 福島第一原発事故で飛散した放射性物質で、汚染された草木を中心とするゴミの焼却灰や下水汚泥などのうち、1キロ当たり8000ベクレルを超えるもの。県内は10市で発生したが、千葉市分は基準を下回ったため、指定を解除された。

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