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【千葉】

<ひとキラリ>県伝統的工芸品、新たに2品 行徳神輿・中台さん、江戸つまみかんざし・穂積さん

「行徳神輿」の中台洋さん(左)と「江戸つまみかんざし」の穂積裕さん=市川市役所で

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 江戸時代からの伝統を受け継ぐ、市川市行徳の「行徳神輿(みこし)」と「江戸つまみかんざし」が、県の伝統的工芸品に指定された。手掛けるのは、市内で唯一、神輿作りを続ける中台洋さん(46)と、江戸つまみかんざしを手掛ける穂積裕さん(46)。同じ「ひろし」の二人は、時代の変化とともに家業と伝統文化を守ることの難しさを実感しながらも、「新しいことにも挑む」と語る。

 市川市南部の行徳地域は江戸期、塩田が広がり、水路が江戸に通じていた。「成田山詣」の中継点でもあり、人や物資の往来が盛んで神社仏閣も多く建てられた。

 江戸期には、宮大工、漆塗りや彫刻などの職人が多く集まっていたことから「行徳神輿」の製作が始まった。屋根が大きく張り出すのが特徴。中台さんが営む中台製作所は、木地の選定から組み立てまで全ての工程を自社で手掛けている。

 しかし、近年は「安い方がいい」との風潮などから、経営環境は厳しさを増している。

 「時代とともに、進化しないと継承できない」が持論の中台さん。神輿の価値と作る技を見てもらいたいとの思いから、製作所の敷地内に二十二日、「行徳神輿ミュージアム」をオープンさせる。神輿や製作道具の展示、ビデオ上映などを行う。入館は原則、平日の昼間で無料。

 一方、つまみかんざしは江戸初期に上方で起こり、江戸に伝わったとされる。小さく刻まれた色鮮やかな絹織物の羽二重をつまんで作ることに由来する。

 穂積さんも「伝統を受け継いでいくため、売れるためには、常に新しい色や材質などを取り入れなければいけない」と力を込める。「髪飾りは、必要不可欠のものではない。だから、見て欲しくなるものを作っていくしかない」

 名前も生まれた年も同じ二人だが、父親の名前は中台さんが「實」、穂積さんも「実」。その二人の父親の製品も、県の伝統的工芸品に指定されている。

 二人は今月五日、市役所に市長職務代理者の佐藤尚美副市長を訪ね、伝統的工芸品に指定されたことを報告。佐藤副市長は「後継者を育て、うまく後世につないでほしい」と語りかけた。 (保母哲)

 

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