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【千葉】

<ひとキラリ>絵手紙で被災地に勇気 流山の小平さんが作品集

初の絵手紙の作品集を刊行した小平輝子さん(左)と長男のおだいら光一さん=流山市で

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 流山市で長年、絵手紙の普及に努めてきた小平輝子(おだいらてるこ)さん(84)が、これまで描きためてきた絵手紙を集めた初の作品集「てるこの絵手紙−花音に心響かせて」を文芸社(東京都新宿区)から刊行した。福島県南相馬市生まれの小平さん。被災地に勇気と元気を届ける手紙を選んだといい「東日本大震災を生き抜いた人たちに、勇気を持って生き続けてほしい」と願っている。 (林容史)

 小平さんは一九五六年、結婚を機に南相馬市から流山市に移り住んだ。書道に励み、日本教育書道連盟教育部師範の肩書を持つ。しかし、書だけでは飽き足らず、絵手紙の創始者で現・日本絵手紙協会名誉会長の小池邦夫さんに手紙を書き、九六年から取り組んだ。小池さんに励まされ、絵手紙友の会の全会員約八百人に絵手紙を送るほどのめり込んだ。現在、自宅や公民館で教室を開き、約四十人の生徒がいる。「相手を思って書けば心が通じる」。絵手紙の魅力について小平さんはこう語る。

 今回、手元にある約五百点の作品から九十点を厳選して収録した。日本画に使う色鮮やかな「顔彩」のほか、パステル、慣れ親しんだ墨などで描いている。はがきにとらわれず、ふすま紙を流用した作品もある。四季折々の動植物や収穫物、お地蔵様に「三年がんばってみよう」「あさがくる」「春ですよ−」といった優しい言葉が添えられる。

 制作を手伝った長男で音楽家のおだいら光一さん(58)は「オカリナやピアノなど、音楽を題材にした絵手紙はほかにないのでは」と解説する。

 昨年夏から作業を始め、八十四歳の誕生日を迎えた三月六日に発行にこぎつけた。小平さんは「一冊の本を出すことが、こんなに幸せなことだとは夢にも思わなかった。心が届く、こんなにうれしいことはない」と話している。被災地の仙台市に住む兄に五十冊を送り、仮設住宅などで配ってもらったという。

 小平さんのめいでベストセラーファンタジー「ハリー・ポッター」の翻訳者の松岡佑子さんは「スイスで暮らすようになって十余年が過ぎ、その間に輝ちゃんから届いた絵手紙は、私の心を和ませ、やさしく励ましてくれました。(中略)どうぞ多くの方にこの本が届き、輝ちゃんの想いが、みなさんの心に、やさしく、力強く響きますよう」と一文を寄せている。

 「てるこの絵手紙」は価格二千円と税。千部を発行。県内の主要書店などで販売している。問い合わせは文芸社=電03(5369)3060=へ。

 

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