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【千葉】

「脱高級路線」で江戸前海苔復権 県など生産振興計画

県北部の沖合にあるノリの支柱柵

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 三期連続の不作などで低迷する「江戸前海苔(のり)」の復権を図ろうと、東京湾内の県内十四の漁業協同組合や県などは、ノリ養殖の生産振興計画を作った。贈答品からコンビニ向けに需要が移る中、高級路線から転換を進めるほか、漁場調査データの有効活用して漁業者の所得向上を目指す。 (村上豊)

■生産額3分の1

 千葉産のノリは、一番つみの柔らかさを生かした「色よし、味よし、香りよしの江戸前海苔」が売り。秋から春までの漁期を通じ、こまめに網を交換する養殖技術で品質を維持し、市場で存在感を示してきた。

 だが和食離れに加えて、需要がお歳暮向けなどの高価格帯からコンビニのおにぎり向けの中価格帯に変化。中国・韓国産の輸入にも押されて国産ノリの単価は下落傾向が続く。県産の養殖ノリの生産額はピークの二〇〇〇年に六十六億円あったが、最近は三分の一の二十億円超に落ち込む。

 労働力不足や高齢化による廃業も相次ぎ、経営体は十年前の半分程度の二百弱に。生産量は〇二年に五・一億枚(縦十九センチ、横二十一センチ)だったが、近年は二億枚を下回る。この三シーズンは水質の影響やクロダイなどによる食害で不作が続く。

■業務用も

 生産振興計画では、効率的な生産体制で収益力を強化。五年後の二〇二三年に一経営体当たりの漁労所得(二百六十万円)の10%向上を目指す。

富津市沖での船を使ったノリのつみ取り(いずれも県漁業資源課提供)

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 カギとなるのが高級路線からの脱却だ。良質のノリを作るために漁期中、網の交換をつみ取るごとに五、六回していたのを減らし、経費負担を小さくする。市場では高級品と、人気がある中低級品との価格差が縮小している点も踏まえ、「これまで品質の良さを追求してきたが、需要に合わせて業務用にも対応していく」(県漁業資源課の担当者)。

 生産の増加や安定に向けては、水温や潮流の調査データで好漁場を判断する県水産総合研究センターの技術を、県北部だけから全県に拡大する。

 富津、木更津、県北部(市川市と船橋市)の三つの生産地の特色に合わせた方策にも初めて取り組む。県内生産の八割を占める富津では、不作原因の究明を急ぎ、木更津では干潟漁場を生かした青混ぜノリを増産。県北部で三番瀬ブランドを活用した産地づくりを進める。

 

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