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【千葉】

緑綬褒章を受章「ふなばし朗読の会まつむし」 「音の本」作り続け38年

緑綬褒章を受章した「ふなばし朗読の会まつむし」の皆さん=船橋市社会福祉会館で

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 2018年春の褒章受章者が発表され、県内からは1団体と20人が選ばれた。ボランティア活動で実績を重ねたとして、緑綬褒章の受章が決まった「ふなばし朗読の会まつむし」(船橋市)の皆さんに喜びの声を聞いた。 (村上豊)

 朗読ボランティアの養成講座を受講した主婦ら有志が集まり、一九八〇(昭和五十五)年に発足。本好きのメンバーが、朗読した声を自ら録音し、「音の本」を作り続けてきた。

 「視覚障害者の役に立つと思って活動してきたことを、皆さんに認めていただいた。サポートがあったから三十八年続けてこられた」。受章について代表の家景子さん(77)は、カセットテープを毎年寄贈してくれた個人や、地元ライオンズクラブの助成に感謝する。

 会名の「まつむし」は、秋の虫の中で鳴き声が控えめなマツムシから。美しい音色で鳴き競うスズムシではなく、謙虚さを忘れない気持ちを託した。結成メンバーの奥谷君子さん(75)は「音声図書を聞いた人から『あれを読んだのは、あなたですね』と覚えてもらえるのがうれしい」と語る。

 県立千葉盲学校からの依頼などで製作した音声図書は二千六百十三冊。視覚障害者に二人一組で行う対面朗読は三千回を超えた。本のジャンルは小説から囲碁などのハウツー本、経済の専門書までさまざまだ。

 本の内容を把握したり、地名の読み方やアクセントを調べたりと、下読みに文庫本一冊で七、八時間。自宅で録音する際は、イヌのほえる声や飛行機、ドアの開け閉めといった雑音に注意を払う。吹き込んだ後、別の人が二度の校正。一冊仕上げるのに数カ月かかることもある。

 活動の中で録音媒体は、カセットテープからコンパクトディスク(CD)やメモリーカードに代わった。カセットのときは修正箇所を上書き録音するのが大変だったが、パソコンになって編集作業は楽になった。その半面、専用ソフトを扱うのに悪戦苦闘するし、扱えない人もいる。

 月に二回集まって朗読のスキルを磨く。二十三日に船橋市社会福祉会館で開かれた研修会では文章を順番に読み込んだ。講師を務めたのは元山形放送アナウンサーでメンバーの井場兌(えつ)子さん(83)。「心を落ち着けて」「イントネーションはそのままでいいですよ」と温かくアドバイスした。

 三十人いた会員は、病気や介護などの事情で減り、現在は四十代から八十代までの十九人。気持ちを込めたり、場面を切り替えたりと技術の習得に半年かかる。入会者を募集中で見学を随時受け付け。問い合わせは、市ボランティアセンター=電047(431)8808=へ。

 

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