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【千葉】

視覚障害者の愛好クラブ 四街道拠点「でんでんむし」

介助者の男性に、点字で書いた川柳を伝える金子さん(右)=四街道市で

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 四街道市を拠点にする視覚障害者の川柳クラブ「でんでんむし」(伊佐勉代表)が、二十年にわたり活動を続けている。会員たちは日々の暮らしの中、ふと湧き上がる思いや、時事問題について感じたことなどを「五・七・五」に表現。会員同士が作品を発表し合い、互いに刺激を受けて楽しんでいる。(中山岳)

 「視(み)えずとも 脳裏に浮かぶ 陽の光」

 四月中旬、四街道市四街道の「視覚障害者総合支援センターちば」であったクラブの例会。同市大日の金子進さん(74)が点字で作品を創作し、介助者の男性が「句せん」と呼ばれる専用紙に代書していた。金子さんは「これまでの体験を基に、自分の思いやイメージを表現するようにしている」と説明する。

 金子さんは、進行性の目の病気で六十歳ごろには文字を追うのが難しくなった。サークルには十三年間ほど通っている。クラブの魅力を「他の人の作品を知るのも楽しい。時代の流れに敏感になり、認知症予防にもなるかな」と笑顔で語った。

 この日の例会には会員や介助者ら約二十人が参加。「失った 光心に 灯(ひ)をともし」「土俵際 歯を食いしばる 安倍総理」「改ざんと 隠すだますの そろい踏み」「民謡と 演歌はオレの 二刀流」など多彩な句が詠まれた。

 講師の大城戸紀子(のりこ)さん(79)が一句を詠むごとに講評すると、会員からは「なるほど」「面白い」といった声が上がった。大城戸さんは「作品の多くは、社会問題への関心が高く、人への温かさも感じる」と話す。

 例会は原則として毎月第二木曜に開き、会の様子を録音する。CD化した音源や作品を点訳した会報が後日、会員に届けられる。会員たちは、各地で開かれる川柳大会にも出掛け、作品を積極的に発表している。

 大城戸さんらによると、一九九七年に開かれた県視覚障害者福祉協会の川柳講座をきっかけに、でんでんむしの前身となる川柳クラブが九八年に活動を開始した。九九年から大城戸さんが講師を務めている。でんでんむしの名前には「ゆっくりと川柳を楽しもう」と肩ひじ張らない思いを込めたという。

 現在、会員は十四人だが、高齢化が進み、中には体調を崩している会員もいる。発足当初から参加する市原市五井の市原滋夫(しげお)さん(76)は「川柳は人間をそのまま詠める楽しさがある。初歩から学べるので、新たな参加者が増えてくれれば」と話している。

 問い合わせは代表の伊佐さん=電043(424)5351=へ。

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