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【千葉】

ギャンブル依存症 暗闇の中でも希望ある 「家族の会千葉」船橋で6日会合

ギャンブル依存症になった家族について話す女性(手前)=船橋市で

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 カジノを含む統合型リゾート(IR)の実施法案が先月二十七日に閣議決定され、国会に提出された。法案は設置数や入場制限などが柱。ギャンブル依存症患者の家族でつくるNPO法人「全国ギャンブル依存症家族の会千葉」の会員からは、患者や家族の実態を踏まえた対策を求める声が上がっている。 (中山岳)

 「息子の借金が発覚した時、何のためらいもなく私が返済した」。四月上旬、船橋市中央公民館(本町)であった家族の会千葉の会合。県内の会社員女性(57)は、ギャンブル依存症になった長男(26)について語った。ギャンブル依存症の子どもや兄弟がいる十七人が耳を傾けた。

 長男は大学時代、パチンコなどにのめり込んだ。消費者金融やヤミ金融で重ねた借金は三百万円。約二年前、気づいた女性が返済したが、長男はギャンブルをやめず、借金を続けた。長男は「キャッシュカードを無くした」「財布を落とした」などとうそを重ね、家からお金を取っていくこともあった。

 女性は昨年末、依存症患者に規則正しい生活や回復プログラムを受けさせて社会復帰を促す施設に、長男を預けた。「息子は自分がギャンブラーと認めない。愛をもって本人を手放すことも必要」と話した。

 会合では女性の話に共感する声が相次ぎ、「借金返済の肩代わりは、ギャンブルしやすい環境を家族が作ることになる。本人の救済につながらないのでやめたほうがいい」と話す人もいた。

 依存症患者の借金を肩代わりした経験がある家族は、少なくない。公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」と筑波大学の研究チームが二〇一五〜一六年に行ったアンケート結果によると、ギャンブル依存症患者の家族二百人のうち、百六十六人(83%)が「ギャンブルによる借金の肩代わりをしたことがある」と答えた。

 家族の会千葉は昨年九月に発足。会員らは原則、毎月第一土曜に、船橋市内などに集まり、気軽に経験を語り合うほか、ギャンブル依存症について学ぶ。依存症患者が回復するための施設や相談会の情報も提供している。

 代表の伊藤さん(52)は「ギャンブル依存症は当事者だけの問題ではない。相談できる場がなく、家族で抱え込んでしまうことが多い。暗闇の中でも希望があることを伝えたい」と話す。IR実施法案には「カジノをつくるより、まず国が依存症患者や家族の声をきき、対策をしっかり作ってほしい」と訴えている。

 次回会合は、五月六日午後零時半〜同二時半に船橋市中央公民館で開かれる。参加費千円。問い合わせは、事務局の田所さん=電090(1404)3327=へ。

 

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