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【千葉】

<オスプレイ暫定配備か 高まる不安> (上)事故起きてからでは遅い

陸上自衛隊が今秋に導入するオスプレイの暫定配備の候補地に挙がる木更津駐屯地=木更津市で、本社ヘリ「おおづる」から

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 多くの家族連れでにぎわう木更津市の木更津海岸潮干狩り場。近くには陸上自衛隊木更津駐屯地があり、ヘリコプターが離着陸を重ねる。「オスプレイが飛ぶようになったら怖い。事故が心配だから」。四月下旬、前橋市から知人ら四人で潮干狩りに訪れた会社役員の小此木正芳さん(55)は、そう話した。

 木更津駐屯地は米軍オスプレイの定期機体整備の拠点。昨年二月から、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)に配備の米海兵隊オスプレイ一機を整備中だ。整備は大詰めを迎え、近く試験飛行が行われる見通しとなっている。

 首都圏でのオスプレイを巡る情勢は緊迫している。今年三月下旬、陸自が導入予定のオスプレイを木更津駐屯地に暫定的に配備する方向で防衛省が検討−との報道があった。佐賀空港(佐賀市)への配備を計画していたが、地元の反対で難航しているためだ。

潮干狩りを楽しむ家族連れ。後方には陸上自衛隊木更津駐屯地が見える=木更津市の木更津海岸潮干狩り場で

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 四月には、米軍オスプレイの横田基地(東京都福生市など)への配備前倒しが突如、公表された。配備は二〇一九年十月以降とされてきたが、四月五日に米空軍オスプレイ五機が横田基地に到着、今夏にも正式に配備される見通しとなった。正式な配備は沖縄に続き二カ所目となる。

 木更津駐屯地から約三キロにある木更津市立太田中学校に中学三年の息子が通う会社員土屋麗佳さん(32)は「家族で近くを通る機会も多い。世界各地で事故が相次いでいるのに、配備されて本当に大丈夫なのか、不安で仕方がない」と不安げだ。

 木更津駐屯地周辺は県内有数の潮干狩りスポットで、多くの来場者が訪れる。木更津市と対岸の川崎市を結ぶ東京湾アクアラインの普通車の通行料金八百円化が追い風となり、駐屯地周辺の大型商業施設は県外からの買い物客でにぎわう。

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 地元の漁協関係者は「万が一事故が起きれば、来場者が大きく減るのは避けられない。せめて潮干狩りの期間中だけでも飛ばさないでほしい」と漏らす。木更津市観光協会の関係者は「オスプレイが来ることで風評被害が拡大することがもっとも怖い。事故で今の木更津のにぎわいに水を差しかねない」と心配する。

 オスプレイの問題に詳しい沖縄国際大の前泊博盛(まえどまりひろもり)教授(日米安保論)は「暫定配備されれば、定期機体整備に伴う試験飛行だけでなく、訓練などで飛ぶ回数は必然的に増加する」と指摘する。木更津市民に向け、前泊教授は「何か起きてからでは遅い。補償のあり方など責任の所在を一刻も早く確認しておくことが大切だ」と警鐘を鳴らす。 (山口登史)

 ◇ 

 米軍オスプレイの機体整備の拠点だけでなく、陸自のオスプレイの暫定的な配備先の候補に挙がる木更津駐屯地。地元で広がる不安や戸惑いの声を紹介する。

 

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