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【千葉】

女性も働きやすい業界に 無料冊子「けんせつ姫」発行記念 船橋で座談会

土佐工業が製作した女性用作業服をまとった、座談会に出席した女性たち=船橋市で

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 建設業界で働く女性たちを収めた無料冊子「けんせつ姫」が発行されたのを記念し、冊子に登場した人らが集まった座談会が、船橋市内で開かれた。「土木女子」「けんせつ小町」とも呼ばれる女性たちを応援しよう−と、船橋市の建設会社「土佐工業」が発行した。編集長を務めたのは、同社社長の柴田久恵さん(45)。柴田さんは座談会でも、「男性中心の業界だけど、女性も働きやすい職場にしたい」との願いを口にした。 (保母哲)

 座談会に出席したのは、現場監督や左官職人、型枠工などを務める十九〜四十五歳の十一人。「重い資材を運ぶなど、男性と同じ仕事をしている。『女だから』と、なめられたくない」「男性ばかりの職場だから、いろいろ気を使ってもらっている」といった発言のほか、ある現場監督は「泣くときは一人でいる車の中か、帰宅してから。現場では絶対に泣かない」と漏らした。主な発言を紹介する。

 男性中心の職場だが、夫婦で型枠工事会社「KSR」(東京都立川市)を起業した中村友紀子さん(41)は「職人さんの様子を常に気にしている。体がだるそうだったら水分を手渡すなどしており、こうした心配りが職場の一体感につながっていると思う」。

 「クリエすずき建設」(柏市)の佐々木真梨恵さん(33)は「私は主婦。お客さんとの打ち合わせの際、台所のつくりなどを主婦目線でアドバイスしている」と、女性らしい心配りが仕事に役立っていると説明した。

 近年は人手不足で、中でも若手の確保が課題になっている。「若い人にとって、休日が取得できるかが大きな関心事。反面、私は若いころ、がむしゃらに働いたから今がある。建設業界では大きなビルや家を建てるけど、それって素晴らしい仕事じゃないですか。こうした魅力を伝えれば、若い人も来てくれるのでは」。防水工事「イセ化工」(船橋市)の大日向弥生さん(37)は、業界の魅力をもっとPRしては、と提案した。

 「丸喜株式会社斎藤組」(東京都江戸川区)の隅谷萌(もえ)さん(21)は現場監督。「現場へ電車で行く際、作業服姿だと、周りの人の視線が気になる。この業界で働く人が増えるなどで、一般の人の意識が変わってくれるとうれしいですね」と今後に期待した。

 こうした座談会での発言を受け、柴田さんは「女性にとってこの業界は、正直に言って厳しい。根性では男性に負けない、と思っていても、出産すると体力が落ちたり、子どもと『いつも一緒にいたい』という気にもなる」と話した。

 一方で、「母親になると物の見方や発想が違ってきて、仕事に役立つことも多い。できれば、働く女性の誰もがこの経験を味わってほしいし、結婚・出産後も働く職場づくりが進むことを願っています」と期待を込めた。

<無料冊子「けんせつ姫」> 船橋市の土佐工業が今年2月に発行した。建設業界で働く県内と東京都内の計10社の13人を収録。A4判23ページで、1000冊印刷したところ、好評のため増刷した。柴田さんによると、第2号の発行に向けて準備を始めており、今回の座談会も収録する予定という。

 

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