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【千葉】

<成田開港40年>(下)大手からLCCへ 加速する「格安」シフト

出発客と到着客が入り乱れて混雑する第3ターミナル=成田空港で

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 成田と言えば格安航空会社(LCC)−。こんな連想が飛行機に乗る人たちの間で広まってきた。窮屈な座席、何かと要求される手数料、欠航時の不安などの難点はあるものの、運賃の安さが大きな魅力だ。

 「LCC元年」の二〇一二年から成田空港の国内線が充実した。長く年間百万人前後だった旅客数は同年を境に激増し、昨年度は七百四十六万人。就航先は年内に二十都市を達成する予定だ。国際線も含めると千百七十三万人で航空旅客全体の28・7%。発着回数では30・7%を占める。

 三月に合意された機能強化を活用する形で、日本航空は今月十四日、成田を拠点に国際線の中長距離LCCの新会社設立を発表。運用時間が延びる予定の二〇年夏ダイヤからの就航を目指す。全日本空輸も傘下のLCC二社の統合と中距離路線進出を打ち出した。

 国内LCCは小型機を使った国内線と短距離国際線だけだが、関係者は「方法論はある程度分かっている。研究と検討を十分重ねた末の満を持した決定」と話し、中長距離でも成算が高いとみる。

 成田をアジアの拠点にしていた米デルタ航空が韓国の大韓航空との結び付きを強め、仁川空港に路線を移す動きが避けられなくなった。羽田空港の機能強化でも逆風が見込まれ、大手からLCCへの傾斜を強めざるを得ない情勢だ。にもかかわらず、成田でLCCの足を引っ張りかねない事態が起きている。

 一五年四月にオープンしたLCC専用の第三ターミナルが早くも手狭となっている。年七百五十万人の利用想定を超え、一七年度に七百六十四万人となった。国際線の出発や国内線の到着が集中する午後六〜七時の混雑が著しい。

 そこで成田国際空港会社(NAA)は一九年度末までに到着ロビーを増築し、二一年度末までに規模を倍増させることを決めた。夏目誠社長は「LCCの中長期的な成長に寄与したい。実現すれば十年くらいは乗り切れる」と展望する。

 ただ、LCCが入るのは第三だけではない。国内外の十社以上が、第一と第二の各ターミナルでまだら模様に陣取っている。

 第一には昨年、韓国のエアソウルが就航した。「第三には物理的に入れず、戦略的に入らなかった」と担当者。発券や手荷物受託をグループ企業のアシアナ航空などと一体で行い、効率化を図っているという。

 手厚いサービスを提供する既存大手の利用者への配慮として、第三の建設で「第一、第二の旅客と動線を分ける」とした方針はうやむやになり、LCC空港の印象がますます強まった。LCCの「安かろう悪かろう」というイメージからの脱却が急務だ。

 ジェットスター・ジャパンの担当者は「現在の欠航率は1%、定時運航率は85%で、混乱が目立った当初と比べて大きく変わっている。伸びしろはまだあり、成田空港とともに市場を盛り上げたい」と意気込む。

  (小沢伸介)

 

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