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【千葉】

千葉市の石炭火力発電所計画 大気汚染「対策が不十分」

千葉市の米満実・環境局長(右)に、集めた署名を提出する「蘇我石炭火力発電所計画を考える会」のメンバーたち=千葉市役所で

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 千葉市中央区の臨海部で建設計画が進む石炭火力発電所について、事業者が環境アセスメントの項目などを記した環境影響評価方法書を巡り、周辺住民から、大気汚染対策の不十分さなどを指摘する四百十一件の意見が寄せられた。住民らでつくる「蘇我石炭火力発電所計画を考える会」は今月八日、七千五百五十人分の反対署名を市に提出するなど、地元での懸念は根強い。 (中山岳)

 計画が進むのは「蘇我火力発電所(仮称)」。JFEスチールと中国電力が出資した事業者「千葉パワー」(東京都千代田区)が、JFEの敷地に出力約百七万キロワットの石炭火力発電所を建てる予定で、二〇二四年の運転開始を目指している。

 千葉パワーは、ばい煙、騒音などの影響を調べて予測するための環境影響評価方法書を今年一月に公開。三月八日までに集まった意見四百十一件の概要と、それらの意見に対する事業者としての見解をまとめ、四月初旬に国や県などに提出した。

 集まった住民側の意見では「健康に悪影響、大気汚染が大きな心配」との声が少なくなかった。千葉パワーは、最良の集じん装置などを導入するとし「硫黄酸化物、窒素酸化物(NOx)、ばいじんの濃度や排出量を可能な限り低減する」と回答した。

 また、「建設残土はどのように処分する予定か」「有害物質を海に流さないで」など、土壌・海洋汚染を心配する意見も寄せられた。千葉パワーは、建設残土は発電所構内の造成などに利用し、新たに排水処理装置を設ける見解を示した。

 しかし、燃料の石炭の粉じん飛散は、方法書で環境アセスメントの評価対象から外れている。石炭の輸送船から荷揚げして運搬する際、発電所の事業区域外にあるJFEのベルトコンベヤーなども使う予定。そのため、荷揚げや一部の運搬工程の飛散対策は、JFEが行うこととされている。

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 建設予定地近くに住む渡辺敬志さん(70)は「対策の一部がJFE任せで、千葉パワーの主体性や責任がない。本当に飛散を防げるのか」と疑問視する。

 蘇我石炭火力発電所計画を考える会は、今年一月下旬まで予定地の周辺住民らにアンケートを実施。有効回答数三百五十のうち、建設に「反対」が二百六十六で76%を占め、「情報が無いので判断できない」が六十九(20%)、「賛成」が四(1%)だった。同会代表の小西由希子さん(59)は「地域に建設計画を知らない人もまだ多く、理解は全く広がっていない」と話す。

 千葉市の熊谷俊人市長と市原市の小出譲治市長は十日、方法書に対し環境への影響に配慮を求める意見を森田健作知事に提出した。森田知事は、これらの意見を踏まえ、七月二日までに方法書に関する意見を経済産業相に出す予定だ。

 

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