東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

シニアパワー、地元で活用 人手不足の中小企業に紹介 千葉商議所・専門相談窓口

高齢者活用相談窓口で相談員を務める増田順也さん=千葉商工会議所で

写真

 中小企業の人手不足に対応しようと、千葉商工会議所が六十歳以上の求職者を企業に紹介する「高齢者活用相談窓口」を設けている。シニア雇用を専門にした相談窓口は、全国の商議所で初めてという。労働人口が減少する中、東京周辺の都市ならではの問題を解決できるか注目される。 (村上豊)

 相談窓口は昨年九月に開設。人材派遣などを手がけるパーソルテンプスタッフ(千葉市中央区)と商議所が提携し、同社から派遣された相談員が火・木曜の週二回、求職者と会員企業のマッチングなどをする。

 シニア人材に目を付けたのは地域的な事情がある。有効求人倍率は東京都の二倍超に対し、千葉県は一・三倍程度で差がある。そのため県内の求職者は若年層を中心に、求人数や職種が多い都内の大手企業などに吸い寄せられ、千葉市の中小企業で人手不足が進んでいるからだ。

 他方、東京のベッドタウンの千葉では、都内に通勤するサラリーマンが定年を迎えている。その中には継続して働く意欲があるものの、「親の介護がある」「定年後まで都内に通勤したくない」「地域社会とつながりたい」といった理由で、自宅近くで働くことを望む人が少なくない。

 企画広報課長の瀬田直也さんは「スキル、経験を持った人材を雇えば会社を活性化させるチャンスになる」とみて、シニア人材の活用で人手不足の解消を図りたいとする。

 ただシニア雇用の現状は厳しい。相談員の増田順也さんは「シニアはお年寄りというイメージで単純労働の求人が多く、事務職で活用しようとする企業は少ない」。中小企業の多くはフルタイムか短時間などの雇用形態が整っていない。

 窓口の開設から八カ月。タイヤ販売会社で財務・経理の経験がある男性が、千葉市のビルメンテナンス会社に一日六時間・週四回で雇用機会を得たなどの実績が数件、求職相談は約四十人にとどまる。

 商議所は四月から、会員企業を訪れて利用を促したり、ハローワークにチラシを置いてもらったりして窓口の認知度向上を目指している。利用の拡大には、商議所が経営相談で培ったノウハウを生かし、企業と勤務条件で間に入るなど、パイプ役を果たせるかがカギとなりそうだ。

 高齢者活用相談窓口の電話番号は043(227)4101。

◆課題は「体力面」6割 会員企業調査

 千葉商工会議所が会員企業に高齢者活用について調査したところ、定年年齢を六十歳としている企業は77・8%で、六十五歳は17・7%。定年延長に慎重な姿勢がうかがえる。

 定年後の継続雇用制度を設けているのは98・7%だが、雇用形態はそれぞれ短時間労働が57・4%、正社員が29・7%、両方は12・9%だった。

 活用の課題では体力面が62・1%と最も高く、年齢層のバランスと労働意欲の低さが同率の17・4%で続いた。活用で必要な情報については、高齢者本人の情報が39・1%、活用事例が35・8%、給与水準は35・1%だった。

 調査は昨年十一月〜今年二月、千葉市の会員中小企業(従業員二十人以上)に実施。百七十二社が回答(回答率21・1%)した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報