東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

<大人って… 迫る18歳成人> (1)親の同意なくローン契約可能に

成人年齢を18歳に引き下げる民法改正案について意見を述べる大学生たち=千葉市の淑徳大学で

写真

 国会で審議中の成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる民法改正案が、二十五日に衆院法務委員会で可決された。今後衆参の本会議で審議される見通し。成立すれば二〇二二年四月に施行される見通しで、一八七六(明治九)年に二十歳と定められ、約百四十年続いてきた成人の定義が大きく変わる。生活にどのような影響を与えるのか。若者たちの思いに耳を傾けた。

 「大人って、経済的に自立している人だと思う」。千葉市の淑徳大学コミュニティ政策学部で十八日にあった授業。一年生の男子学生の発言に、他の学生たちが聞き入った。

 授業は一年生ら約二十人が参加。十八歳成人が実現すれば、十八、十九歳の若者が親の同意なくクレジットカードやローン契約を結べることの是非などを議論した。一年の井上李音(りおと)さん(18)は「クレジットカードを作ったら、使いすぎてしまうかも。契約できても、トラブルになれば自分を守れるか不安」と話す。

 別の男子学生は「高校時代、携帯電話に『不動産投資に興味ありませんか』とかかってきた」と明かした。見知らぬ相手だったが思わず話を聞き、自分が高校生だと告げると電話を切られたという。よくある勧誘の手口で、契約トラブルに巻き込まれる可能性もあった。

 二〇一六年度に県消費者センターや市町村の窓口に寄せられた、二十歳未満の契約トラブルを巡る相談件数は九百六十九件。同センターによると、十代の相談事例は「スマートフォンで誤ってアダルトサイトに入り、登録されてしまった。数十万円の解約料を請求された」といったインターネットサイト絡みの不当請求などが多い。

 現行では、二十歳未満の未成年なら保護者の同意のないまま契約しても、原則として取り消すことができる。だが成人年齢が十八歳に引き下げられれば、十八、十九歳の若者がローンを組んでバイクを購入したり、インターネットで契約したりした後、トラブルになった場合でも、解約できないケースが出てくる。十八、十九歳の若者を狙った悪質業者による契約トラブルの増加が懸念される。

写真

 国会では、今回の民法改正案に合わせ、不当に結ばせた契約は取り消せる規定を追加する消費者契約法改正案も審議中だ。例えば、就職活動の不安をあおって高額なセミナーに誘ったり、恋愛感情を利用して契約させるデート商法など、不当な勧誘による契約は、取り消せる規定を盛り込もうとしている。

 若者への消費者教育も、広がりつつある。県弁護士会消費者問題委員会は昨年六月、消費者教育を行う部会を設立。県内の高校や大学で、契約トラブルの事例を紹介する出張授業を続けている。部会長の中島順隆(まさたか)弁護士は「高校生や大学生に消費者問題の知識を増やしてもらい、相談窓口も周知して被害を防ぎたい」と話している。

 (この企画は中山岳が担当します)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報