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【千葉】

<大人って… 迫る18歳成人> (3)難民支援に取り組む千葉大生

国内外で参加したボランティア経験を話し合う山崎久稔さん(中)ら大学生たち=千葉市の千葉大で

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 「十八歳から自分のことは自分で決める雰囲気が、うらやましかった」。千葉大学国際教養学部二年の椿原萌(もえ)さん(20)は、高校生の時に一年間、障害者福祉を学ぼうと留学したスウェーデンでの経験を、今もよく覚えている。

 スウェーデンの成人年齢は十八歳。現地の高校生たちは、教師ら周囲から「もうすぐ大人。何をしてもいいが自分で責任を取りなさい」と言われていた。

 椿原さんが在籍した外国人留学生のクラスには、シリア紛争で故郷から逃れてきた約三十人の同世代の学生がいた。学生から「住んでいたマンションの前に爆弾が落ちて、とても揺れた」などと聞き、紛争の現実を知った。「シリア難民について何も知らず、打ちのめされた。日本の学生の多くが、親ら大人たちに守られていることも実感した」と振り返る。

 千葉大に入学した椿原さんは今年一月、難民支援に取り組む学生団体「フェリチェート」を設立した。六月に同大で、パネルディスカッションや写真展を開く予定だ。

 同団体で広報を担当する法政経学部二年の山崎久稔(ひさとし)さん(19)は、一年だった昨夏、アフリカ・タンザニアで二週間、教育支援などのボランティアを経験。現地の小学校で英語の授業を手伝い、荒れ地にマングローブを植えた。「日本では未成年でも、海外でボランティアをすると、大人として扱われることがある」と話す。

 日本の成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる民法改正案については「高校三年で『もう大人』と言われたら、多くの学生は身構えてしまうのではないかな」と感じている。

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 成人年齢は国ごとに異なるものの、米国の大半の州、イギリス、中国などが十八歳で、海外では十八歳が主流となっている。国際教養学部講師の佐々木綾子さんは「日本の十八歳は高校生も多く、部活や勉強が生活の中心で、社会への関わりはまだ少ない」と分析する。

 佐々木さんは千葉大で二〇一三年度から、国内外のボランティア活動を取り入れた科目「グローバルボランティア(GV)」を担当。同科目では年間約五十人の学生が、教育支援や環境ボランティアなどを経験する。

 フェリチェートで活動する学生の多くも、GVを受講した。佐々木さんは「国内外にかかわらずボランティアを経験した学生たちは、視野を広げて帰ってくる。大切なのは、自発的にやってみようとする気持ちだ」と指摘。留学やボランティアなど、自分の世界を広げる意欲が「大人の一歩」になるとし、若者が高校時代から社会の一員だと自覚できるような「市民教育」も重要だとしている。

 

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