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【千葉】

松戸女児殺害 鑑識の現場責任者、乗用車の血液「擦り傷ではない」

 昨年三月、松戸市立小学校三年のレェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9つ)=を殺害したとして、殺人などの罪に問われた同小の元保護者会長渋谷恭正(やすまさ)被告(47)の裁判員裁判の第二回公判が五日、千葉地裁であり、警察官四人の証人尋問が行われた。鑑識の現場責任者だった警察官は、被告の軽乗用車から見つかった血液について、車内の状況から「擦り傷によるものとは考えにくい」などと証言した。

 弁護側は四日の初公判で、リンさんは事件前にも軽乗用車に乗ったことがあり、その際に膝をすりむいて付いた可能性があると反論。捜査員などのDNA型が混入した可能性もあるとして、血液がリンさんと一致したとされるDNA型鑑定の信用性を疑問視した。

 この警察官は、軽乗用車から採取された血液について、車内の運転席や助手席の下から見つかったことから、「被害者が座席の足元に押し込まれ、口などから出血した血が付いたと思う」と証言した。

 昨年四月、渋谷被告のキャンピングカーの移動に立ち会った別の警察官は「(被害者のDNA型が検出された)証拠品のネクタイなどには触れていない。見てもいない」と証言した。

◆初公判 冒頭陳述の要旨

 千葉地裁で四日に開かれた松戸小三女児殺害事件の初公判の検察側、弁護側の冒頭陳述要旨は次の通り。

◇検察側

 【女児との面識】

 渋谷恭正被告は二〇一五年十二月ごろ、被害女児が通う千葉県松戸市立小の通学路で見守り活動を始め、一六年四月には保護者会長に就任。見守り時にハイタッチするなど女児と面識があった。

 【被告の犯人性】

 被告の軽乗用車では後部座席のドアステップや床マットに女児の血液が付着し、キャンピングカー内に残っていた物からも唾液が見つかった。さらに遺体の腹部からは被告と女児のDNA型が混合した状態で検出された。採取したものは適正に保管され、汚染はなく、DNA型鑑定は信頼できる。

 【事件当日の行動】

 女児が行方不明になった昨年三月二十四日、防犯カメラや通行車両のドライブレコーダーの映像などから、被告の軽乗用車が遺体遺棄現場や女児のランドセル発見現場の付近を走行していた。殺害は車内で実行した。

 【情状】

 犯行態様は残酷で悪質。九歳という幼い女児がわいせつ行為を受けて殺害された結果も重大だ。犯行には一定の計画性があり、動機も身勝手。保護者会長だった被告の犯行で、地域社会や児童らに大きな影響を与えた。

◇弁護側

 【鑑定の信用性】

 DNA型鑑定は高い精度でできるようになったが、採取や鑑定の際に捜査員らのDNAが混入した可能性もある。捜査機関が意図的に被告や女児のDNAを混入させた疑いもある。事件は社会的に注目され、捜査機関は早期解決への重圧にさらされており、被告が犯人であるということに沿う証拠を作ろうとした。

 【軽乗用車の血液】

 女児は事件前に被告の軽乗用車に乗ったことがあった。その際に膝を擦りむくなどして血液が付着した可能性がある。

 【事件当日の行動】

 被告は自分の子どもを小学校に送った後、一人で昼ごろに出掛け、夜に帰宅した。遺体の遺棄現場やランドセル発見現場の周辺を通ったのは、釣りの下見が目的だった。犯行の機会はあったかもしれないが、DNA型以外の客観的証拠は一切ない。女児の指紋や被告の足跡がないのは不自然だ。

 

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