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【千葉】

「妹は必死で生きている」 特定失踪者家族会事務局長・千葉市の竹下珠路さん(74)

了子さんのジャケットを手にする竹下珠路さん。手前は了子さんのバッグと財布=千葉市若葉区で

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 史上初の米朝首脳会談が12日に開催される見通しとなっている。会談の最大の焦点は北朝鮮の非核化だが、市原市の特定失踪者、古川了子(のりこ)さん=失踪当時(18)=の姉、竹下珠路(たまじ)さん(74)=千葉市若葉区=は「北朝鮮による拉致問題が前進するよう、日本側の思いを強く伝えてほしい」と期待を込める。「妹はきっと北朝鮮で必死で生きている。被害者と家族も高齢化し、もう時間がない」 (美細津仁志)

 「北朝鮮に拉致された人たちが希望を失わないうちに、希望が絶望に変わらないうちに、妹たちを救出しないといけない」。五月二十六日、竹下さんはJR千葉駅前で拉致問題の早期解決を訴えた。

 十一歳下の妹の了子さんは、政府に拉致被害者と認定されていない特定失踪者だ。竹下さんによると、了子さんは一九七三年、千葉商業高校を卒業し、市原市内の企業に就職。その年の七月七日午前、「千葉駅にいる」という電話を最後に連絡が途絶えた。

 当時、拉致問題は広く認知されていなかった。だが二〇〇二年十月、拉致被害者五人の帰国で、国内の行方不明者を巡る情勢が一変した。同年十二月、竹下さんは韓国・ソウルを訪れ、元北朝鮮工作員の安明進(アンミョンジン)氏と面会。「一九九一年に平壌の病院で出会った」との証言を聞き、北朝鮮による拉致を初めて確信したという。

 了子さんの早期帰国を願い、竹下さんは千葉駅前で十年以上、月に一度の街頭署名活動を続けてきた。昨年五月には特定失踪者の家族でつくる「特定失踪者家族会」の事務局長に就任し、会の取りまとめに力を注ぐ。

了子さんの早期帰国を目指し、街頭署名活動をする竹下さん(手前)=JR千葉駅前で

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 失踪から四十五年。了子さんは六十三歳になった。母朗子(さえこ)さんは二〇一〇年十月、了子さんとの再会がかなわぬまま九十四歳で亡くなった。

 八日未明(日本時間)の日米首脳会談で、トランプ米大統領は、金正恩朝鮮労働党委員長との米朝首脳会談で、日本人拉致問題について提起することを約束した。

 安倍晋三首相も「拉致問題の早期解決のため、北朝鮮と直接向き合い、話し合いたい」と強調。「最終的には私と金正恩委員長の間で解決しなければならないと決意している」と述べ、日朝首脳会談に意欲を示した。

 了子さんの一日も早い帰国を願う竹下さん。「今の若い人も自分の身に置き換えて考えてほしい」と話し、米朝首脳会談をきっかけに国内で拉致問題に関心が高まるよう期待している。

 

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