東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

いすみ鉄道・鳥塚社長 12日退任へ 独創的に9年間けん引

今後もいすみ鉄道が、地域のけん引役となることを期待する鳥塚亮さん=大多喜町で

写真

 第三セクター「いすみ鉄道」(本社・大多喜町)の社長に公募で選ばれ、9年間にわたって務めてきた鳥塚亮さん(57)が、12日の株主総会で退任する。フィンランド生まれの人気キャラクターを起用した「ムーミン列車」など数々のアイデアで、ローカル線と沿線地域をけん引してきた。地元では退任を惜しむ声が上がるが、鳥塚さんは「地域で鉄道を活用する道筋はできた。社長としての役割は終わったと思う」と話している。 (山口登史)

 いすみ鉄道(大原−上総中野、全長二六・八キロ)は一九八八年、いすみ市、大多喜町など二市二町と県などが出資する第三セクターで、存続が危ぶまれていたJR木原線を引き継いだ。

 だが、その後も毎年、一億円以上の赤字を出し、存廃も検討されるようになった。打開策として浮上したのが社長の公募だった。鳥塚さんは二〇〇九年、外資系航空会社「ブリティッシュ・エアウェイズ」を退職して、二代目の公募社長に就任した。

 マイカーの普及や少子高齢化で、地域の足としての役割が薄れる中、鳥塚さんは「地域の広告塔」としての観光列車化を目指した。

 のどかな田園地帯の雰囲気に合わせた「ムーミン列車」、旧国鉄時代の車両を活用して地元の農海産物が味わえる「レストラン列車」などを発案。このほか、運転士免許の取得費用を自己負担とする採用制度を導入して運転士不足に備えるなど、独創的なアイデアを次々に打ち出した。

 こうした取り組みが注目を集め、赤字が減り、大多喜町など沿線の自治体の経済活性化にも貢献。いすみ市によると、新聞、テレビ、雑誌などで紹介されたことによる「PR換算価値」は直近三年間で十数億円の経済効果があった。

 「いすみ鉄道の知名度は全国区になった。目指してきたことは、ほぼ完成形に近づいてきた。後は地域の人でやっていける」と鳥塚さん。昨年、全国のローカル線を地域の活性化に活用するNPO法人を東京に設立。小規模鉄道にとって不得意な企画や営業、広報などをサポートしていくという。

 今月十八日には、いすみ市から「いすみ大使」に任命され、主に観光アドバイザーを担う。「これからも何らかの形で、いすみ鉄道や沿線地域の振興に関わっていきたい」と笑顔を見せた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報