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【千葉】

徳川昭武の「戸定邸庭園」 松戸市、今月から公開

アオギリを植えるなど復元された書院造庭園(松戸市戸定歴史館提供)=同市で

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 松戸に居を構えた水戸徳川家の徳川昭武が造成した「戸定(とじょう)邸庭園」を松戸市が復元し、今回、新たに整備した東屋庭園が今月から公開されている。徳川家に残る当時の写真や昭武の日記などを参考に、明治期のたたずまいを忠実に再現した。 (林容史)

 江戸川を望む眺望が開けた東屋庭園跡地には、四階建ての福島県学生寮が立っていた。福島から建設時の測量図面を取り寄せ、解体後、自然な地形に戻した。丘の突端には幻だった東屋を復元、かやぶき屋根を支える柱は木肌や凹凸にこだわり、最適な木材を探し出した。

 前庭の書院造庭園は、なだらかな芝生の傾斜を再現、庭を走る園路を復活させるとともに飛び石の位置も修正した。また不要な木立を撤去、写真に残っていたコウヤマキやアオギリを植えて、昭武が楽しんだ景観を目指した。

 復元には、徳川家に残っていたり、関係者らが撮影したりした写真、使用人の日誌や昭武の日記、慶喜の書き付けなどを参考にした。二〇一六年九月から工事を進め、総事業費は約一億七千万円。

 市戸定歴史館の斉藤洋一館長は「気持ち良く伸びていく平明な庭。それでいて絶妙な位置に樹木が配置されている。激動の時代を生きた昭武が、くつろげる時間を持ちたかったのでは」と話している。

 「戸定の日」の今月二十、三十日には書院造庭園に下りられる。復元に使った史料を七月一日まで歴史館で展示している。

 歴史館と戸定邸の入館料は一般三百二十円、戸定邸のみは二百五十円。開館は午前九時半(公園は同九時)。原則月曜休館。問い合わせは歴史館=電047(362)2050=へ。

<徳川昭武(1853〜1910年)> 水戸藩9代藩主斉昭(なりあき、1800〜60年)の十八男で、江戸幕府最後の将軍慶喜(1837〜1913年)の弟。1867年、仏パリで開催された万国博覧会に将軍慶喜の名代として出席、パリで留学生活を送る。次期将軍の有力候補とみられていたが、67年、大政奉還に至り幕府は瓦解(がかい)、帰国後は水戸藩最後の藩主に就任した。

<戸定邸庭園> 昭武が戸定が丘の小高い丘に建設した木造平屋の戸定邸の庭園。拡張工事を経て1890(明治23)年、完成した。邸の前庭の書院造庭園、眼下に江戸川、遠く富士山を望む東屋庭園があった。一面に芝生を敷き詰め、現存する最古の洋風庭園とされる。2015年、国の名勝に指定された。戸定邸は06年に国の重要文化財指定。

 

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