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【千葉】

山岳救助や災害の情報収集 いざという時 迅速に

「いざという時に迅速に動きたい」と話す「たてワン隊」の君塚直之隊長(右)ら

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 鋸山(標高三三〇メートル)などの山々や、県内の警察署では最長の約八十二キロの海岸線を管轄する館山署に、オフロードバイクを操り、山岳遭難者の救助や台風接近時などに情報収集に当たる専門部隊がある。その名も「たてワン隊」。発足から一年が経過し、君塚直之隊長は「いざという時、迅速かつ的確に動けるような組織にしたい」と意気込みを語る。(山口登史)

 たてワン隊は昨年四月五日に発足。警備課長の君塚さんをトップに、普通二輪免許を保有する刑事、交通、地域各課の二十〜四十代のバイカー署員九人で編成、急斜面も登坂できるオフロードバイク二台を配備している。警察署単独でこうしたオフロードバイク隊を組織しているのは県内唯一という。

 隊の愛称は、南総里見家の伏姫(ふせひめ)と神犬八房(やつふさ)の因縁、八犬士たちの結集を描いた地元ゆかりの長編伝奇小説の古典「南総里見八犬伝」から名付けた。

 館山署は館山市、南房総市、鋸南町の二市一町を管轄する。管内には鋸山をはじめ伊予ケ岳(標高三三七メートル)、富山(とみさん)(同三四九メートル)、愛宕山(同四〇八メートル)など眺望に優れた人気の山が点在する。近年、中高年を中心にハイキング、トレッキング熱が高まる中、低山が連なる県内でも、装備が不十分だったり、登山道が十分に整備されていなかったりして登山客が遭難するケースがみられる。管内でも昨年一年間で、遭難認知件数が四件あった。

 昨年十二月上旬には、伊予ケ岳で道に迷い下山できなくなった高齢の男性から一一〇番があり、たてワン隊が初めて出動。隊員たちが携帯電話の衛星利用測位システム(GPS)で男性の位置を確認しながら、バイクを駆って山中を捜索、男性を発見し、無事救助した。

 また、管内の海岸線は太平洋から東京湾にかけ、砂浜や岩場など多彩な地形を形作っている。高潮や塩害で南房総各地に甚大な被害をもたらした昨年十月の台風21号の際は、地元の行政機関と協議した上で、隊員の安全を確保するため出動を見合わせた。だが、隊は日ごろから訓練に余念がなく、今年四月二十日には富津市内で県警交通機動隊の隊員らと合同でオフロードバイクの走行試験に取り組んだ。

 君塚隊長は「今後も地道に走行技術を磨いていきたい」と話している。

 

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