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【千葉】

地裁、極刑回避 計画性 検察の立証不十分

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 千葉地裁判決は、焦点となっていたDNA型鑑定の信用性を認め、リンさんの連れ去りや殺害などを渋谷被告の犯行と認定した。一方、死刑適用の是非を巡っては、検察側の立証の不十分さを指摘し、わいせつ目的で殺害された被害者が一人の同種事件の判例などを踏まえ、無期懲役を導き出した。

 検察側は公判で、被告がわいせつ目的でリンさんを連れ去り、口封じのために殺害したとし、一定の計画性があったと主張。だが判決は、連れ去り場所や時間、経緯などが立証されていないとし「被告が偶然にリンさんと会って犯行した可能性もある」とし、計画性を認めなかった。

 検察側が、わいせつと殺害を一体ととらえて残虐性を重くみた点も、判決は「死刑選択で重視されるのは殺害方法の残虐性」と指摘。「死刑選択がやむを得ないとは認められない」と結論づけた。

 死刑を選択するかどうかを巡っては、一九八三年の最高裁判決が、殺害方法や被害者の数など九項目の要素(永山基準)を示し、この基準をもとに判例が積み重ねられてきた。

 元東京高裁判事で早稲田大の川上拓一名誉教授(刑事訴訟法)は「永山基準に忠実に沿った判決。極刑を望む遺族の感情に流されず、死刑を選択せざるを得ない証拠があるか冷静に検討し、結論を出した」と指摘する。

 小学生女児一人がわいせつ目的で誘拐、殺害され、裁判員裁判で死刑が求刑された過去の二件の事件では、司法判断が分かれている。

 二〇一四年に神戸市で小学一年女児が殺害された事件は、一六年の神戸地裁判決が死刑判決を出した。だが、二審の大阪高裁判決は、計画性を否定するなどし無期懲役に減刑。検察側が上告している。

 一五年に福岡県豊前市で小学五年女児が殺害された事件では、福岡地裁小倉支部が一六年に無期懲役とし、福岡高裁、最高裁でも維持され、確定した。 (黒籔香織、中山岳)

 

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